【ZEB技術を世界に発信!】竹中工務店の「ZEB化改修」 ASHRAE Technology Awards世界選考で最優秀賞 | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

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【ZEB技術を世界に発信!】竹中工務店の「ZEB化改修」 ASHRAE Technology Awards世界選考で最優秀賞

 竹中工務店東関東支店のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化改修がASHRAE(アメリカ暖房冷凍空調学会)主催のASHRAE Technology Awardsの世界選考で最優秀賞を受賞した。既存一般建物部門では国内初の快挙で、高井啓明設計本部プリンシパルエンジニア(環境担当)は「改修でZEB化した事例はなかなかない。技術力を伴いアウトプットしたことが評価されたと思う」と受賞の喜びを語る。
 同賞は省エネルギー性や室内の快適性、革新的な設計などの評価項目を高い水準で達成した環境建築を表彰する。同社は18年8月にアジア地域で応募。数十件の中から世界選考にノミネートされ、最優秀賞の栄誉に輝いた。
 改修に当たっては、省エネ性と快適性を実現しつつ、知的生産性を高める建物を目指した。エネルギー効率の面では、エネルギー消費量の7割を削減した上で、太陽光などの創エネでZEB化を目指した。さらに自然採光や自然換気も最大限に活用。ダブルスキン化で断熱性能を高め、天井で放射冷暖房をすることで温度差の少ない快適な環境をつくりあげた。

左から鈴木氏、川上氏、高井氏

 イノベーションにも取り組んだ。天井裏に収まる小型デシカント外調機を開発したほか、ウェアラブル端末を利用し、個人の体調に合わせたウェルネス制御を実現した。東京本店設計部設備部門設備1グループの川上大樹氏は「国内の中・小規模の建物でも改修でZEB化できることをこのプロジェクトで示せた」と力を込める。
 既存建物の居ながら改修だったため、「執務する上で苦労もあったがZEBを達成することで省エネかつ快適で、知的生産性が向上することを社員が認識できた」と鈴木裕史東関東支店長は話す。社員の意識改革や働きやすい環境整備により、改修前と比べて社員の残業時間は42%削減された。
 東関東支店には多くの見学者も訪れており、鈴木支店長は「ZEBの技術を発信する立場として気を引き締めて、これまで以上に伝えていきたい」と強調する。また、高井氏も「外部の方からもアドバイスや意見をもらっており、それが糧になっている」と明かす。

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