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【世界最優秀賞】新菱神城ビルが米国暖房冷凍空調学会から受賞 新菱冷熱ら


 新菱冷熱工業、三菱地所設計、芝浦工業大学秋元孝之研究室の3者が設計・施工・検証に携わった「新菱神城ビル」(東京都千代田区)が、世界最大の空気調和関係の国際学会である米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)から高い評価を受け、同学会主催「2023 ASHRAE Technology Awards」の新築オフィスビル部門(Commercial Buildings)で、世界最優秀賞(First Place)に輝いた。

 新菱神城ビルは2020年7月に竣工した地上S造・地下SRC造地下1階地上9階建て延べ4619㎡のオフィスビル。従来技術をベースとしつつも、省エネルギー性能を大幅に改善した新開発のダクトレス空調を全館に採用したことで、高い環境性能に加え「+1フロア」の増床も実現した。

 そのダクトレスを実現したのが、6-8階オフィスに導入した「ダイナミックレンジ放射空調」と3-5階オフィスに導入した「変風量コアンダ空調」。ダイナミックレンジ放射空調は、熱負荷に応じて温度レンジを最適化する制御技術や外気冷却などを組み合わせたもので、年間冷暖運転時間の約70%で自然エネルギーを活用している。変風量コアンダ空調は、空気が天井を這うように流れるコアンダ効果と、風の強弱を問わず空気を部屋の奥まで均一に送り届ける吹出口との組み合わせで省エネ化を実現した。

 この技術のほかに、同ビルには3者共同の研究や実証実験を通じて開発した多くの設備技術を導入している。それらによる省エネ化や段炭素社会に貢献する建築環境技術が、今回の受賞で「世界最高水準」と認められたことになる。

 ASHRAEは、132カ国、5万人以上の会員が加入している国際学会。省エネや快適性などを備えた革新的な環境建築に対する世界最大規模の環境建築技術賞「ASHRAE Technology awards」を1999年から毎年開いている。3段階審査となり、国内の選考後、世界15地域で最優秀賞(代表)を選び、各地域の代表が世界一の環境建築を争う。同ビルは昨年のアジア地域選考で最優秀に選ばれていた。同ビルは日本国内でも多くの賞を受賞している。


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