【竹中工務店】技研リニューアル完了 ABWの思想を空間設計に反映 "健築"で快適執務環境を提供 | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

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【竹中工務店】技研リニューアル完了 ABWの思想を空間設計に反映 “健築”で快適執務環境を提供

 竹中工務店は、昨年7月から進めてきた技術研究所(千葉県印西市)のリニューアルを完了した。6日の見学会で執務スペースを中心に既成概念にとらわれないゾーニング・空間設計と、最新の建築・設備・情報技術をふんだんに取り入れた大規模リニューアルの成果を公開した。1993年に完成して以来、大規模なリニューアルは今回が初めて。
 技術研究所の規模はRC造地下1階地上4階建て延べ3万9162㎡。研究棟を対象に、テーマである「新価値創造力の向上」へのコンセプト「Creation-一人ひとりの創造性が高まる環境へ-」と「Innovation-オープンイノベーションを促進する環境へ-」を体現する施設へとリニューアルした。
 同社が力を入れる「健築」の導入によって、健康的で快適な執務環境を提供。同社の技術などを紹介する「展示公開エリア」や、ベンチャー企業や大学との協業のきっかけを生み出す「共創エリア」を設けることでオープンイノベーションの促進も狙う。
 ワークプレイスの改善として、従来は研究棟を分節する中庭だった部分を内部化して一体化。各研究室を集約しながら、それぞれがアクティビティー(行為)や感性に合わせて、自らの執務エリアを自由に選択できる「ABW(Activity Based Working)」の思想を導入するなど、研究員の創造性を刺激する執務空間を構築した。
 空調や照明といった設備機器をその人の好みに調節することができる「パーソナル環境制御」など独自技術をふんだんに採用。「健築」の考え方に沿った執務環境としての快適性を重視している点も特徴と言えそうだ。
 生物多様性やグリーンインフラといった、これからのまちづくりに必要となる技術を実証研究する「調の森」も配備。まちづくり総合エンジニアリング企業としての“新価値創造力”を高めていく。
 東野雅彦執行役員技術研究所長は「(急速な技術革新の流れにある中で)新しい技術を積極的に取り入れていくためにオープンイノベーションを前面に打ち出している」と強調。「働き方改革を含めた、より自由な思考ができて、交流が深まる研究所にしていきたい」と力を込めた。
 今後の運用によって最新技術を組み込んだリニューアルの効果や知見を蓄積。次なる物件の提案に生かす。

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