【パデムシート】トンネル工事などで土中から発生する重金属をムラなく吸着 凸版印刷ら  | 建設通信新聞Digital

5月1日 水曜日

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【パデムシート】トンネル工事などで土中から発生する重金属をムラなく吸着 凸版印刷ら 

 凸版印刷とケー・エフ・シー(大阪市、高田俊太社長)、イーエス総合研究所(札幌市、伊藤幸一社長)は、トンネル工事などで土中から発生する重金属を吸着する「パデムシート」を開発した。3月中には販売を始める。

開発した「パデムシート」

 トンネル工事などで地面を掘り起こす場合、自然由来の有害物質である重金属などが雨などで河川や海に流れ出すのを防ぐため、土壌を適切に処理することが義務付けられている。流出防止策としては、土壌を遮水シートで覆う封じ込め工法や不溶化材を使って重金属を含む土壌を固める混合固化工法が採用される。ただ、シートの劣化や混合品質の不安定さなどが課題で、近年は吸着材を下敷きにした吸着層工法が注目されている。同工法は混合固化工法と比べてコストが安いものの、重機を使って土と吸着材を混合する必要があるほか、吸着層の均一性の確認も必要となる。
 パデムシートは、吸着層工法として実績のある吸着材を均一に充填したシート状の製品で、ムラなく重金属を吸着し、現場で品質を確認する必要もない。適度な透水性もあり、シート同士を熱溶着で接合するため、吸着層を隙間なく構築でき、重金属だけを吸着するため、高濃度の溶出水が河川や海に流出するのを防げる。厚さ2mmの柔軟性のあるシートをロール状で納品するため、現場で重機を使わず広範囲に敷設できる。谷などののり面や複雑な地形でも従来より簡単な施工が可能になる。
 
 
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