【定住人口増加目指す】神戸市の鉄道駅周辺整備「リノベーション神戸」 対象駅周辺が進化中 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【定住人口増加目指す】神戸市の鉄道駅周辺整備「リノベーション神戸」 対象駅周辺が進化中

 神戸市は、市内の鉄道駅周辺整備に力を入れる。定住人口の増加を目指す「リノベーション神戸」の対象として谷上、垂水、名谷、西神中央、三宮、新神戸、神戸、兵庫、新長田、伊川谷の10駅周辺をピックアップしており、2019年度2月補正予算と20年度予算には、JR西日本と山陽電鉄の垂水駅(山陽垂水駅)周辺に16億4827万円、神戸市営地下鉄の名谷駅周辺整備に24億1962万円、西神中央駅に21億0185万円を計上した。

 垂水駅周辺では、公共・公益施設の再配置と総合病院の誘致などを推進している。
 垂水体育館は老朽化が進む現垂水体育館(同区旭が丘2)と垂水勤労市民センターの体育室(同区日向1)を集約する形で垂水スポーツガーデン敷地内(同区平磯1)に移転新築する。22年度からの供用開始を目指している。

垂水駅周辺の開発イメージ

 統合に伴って創出される垂水体育館跡地と隣接する垂水養護学校跡地(敷地面積計約7000㎡)には、産科や小児科救急を持つ病床数200床程度の総合病院を誘致する。24年度の竣工と供用開始を想定している。
 さらに垂水小学校(同区日向2)は校舎を建て替え、まちづくりに伴う児童数増加に対応できる教室数を確保する。想定規模はRC造5階建て延べ9000㎡。19年度に改築工事設計を山本設計・新日本設備計画JVに委託して進めており、20年度に設計を終えて工事に着手、25年度に完成させる。
 このほか、駅北東広場には蔵書数10万冊超の垂水図書館を移転新築し、子育て支援拠点と駅北側一般車ロータリーも整備する計画だ。

 名谷駅周辺では、神戸交通振興が運営する名谷駅ビルのリニューアル、(仮称)名谷図書館の整備、商業施設のリニューアル、落合中央公園のリニューアルを計画している。
 駅ビルのリニューアルは20年度から設計・工事に着手し、21年度半ばから順次部分供用、22年度の全体完成を目指す。図書館は20年度内に大丸須磨店内へ整備する。
 商業施設のリニューアルは20年度から24年度にかけて順次実施していく方針で、市の外郭団体・OMこうべが運営する須磨パティオの買物広場は21年度末にリニューアルオープンさせる。

 西神中央駅では、OMこうべが建設するビルに移転入居する形で新西区庁舎を整備する。3月に建設工事の一般競争入札を公告しており、5月25日に入札する予定となっている。規模は総延べ約1万㎡を計画し、21年度の完成と供用開始を目指している。

西神中央駅周辺の文化・芸術ホール完成イメージパース

 新たなシンボルとなる交流・創造の場と位置付ける文化・芸術ホールは整備・運営事業者として鹿島リースグループを選定しており、現在は設計が進められている段階。21年度末の完成を予定している。
 文化・芸術ホールは延べ約2420㎡、席数500席が計画され、延べ約3330㎡の新西図書館、総戸数304戸の中高層共同住宅を建設する。
 さらに23年度にかけてプレンティ広場とパークアベニューの再整備、近隣センターのリニューアルも実施する。

 3駅以外の各駅では、複数のビッグプロジェクトが進んでいる三宮駅周辺を除いて、駅前広場の再整備や景観整備、ライトアップなど空間の高質化などが計画されている。
 新神戸駅周辺では駅前広場を再整備するとともに、駅構内エスカレーター整備などによる地下鉄周辺エリアへの移動円滑化、生田川・生田川公園の再整備検討なども行う。
 19年度から協議や設計を行っており、今後順次必要な工事などを行って23年度の供用開始を目標としている。

 新長田駅周辺ではバス路線再編にあわせたバスロータリー整備による拠点性向上、歩行者動線の確保、広場機能の確保に取り組む。24年度の供用開始を目指している。

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