協和エクシオは、壁面基地局の設置やメンテナンスの際、アンテナなどの支持柱を屋上面に容易に引き込める構造のアンテナ架台「くるりん波(くるりんぱ)」を太新産業と共同開発した。既に大手通信キャリアが採用済み。同社によると「この開発に世界で初めて成功(2021年2月3日特許登録)した」という。
携帯電話基地局の建設で、ビル屋上にアンテナを設置する場合、これまでは鋼材で約2m角のステージを組んだ上に、約
3mの鋼管柱を立て、その上部にアンテナを設置していた。
くるりん波では、屋上端部にあるパラペットと呼ばれる縁に架台を挟み込み固定するタイプと、屋上自立設置型の2タイプを用意。いずれも張り出した支持柱にアンテナを設置する構造となってる。
その特長は、アンテナ部を180度上部に向けて回転させ、屋上面への引き込みを可能にした点。これで建設時やメンテナンス時に足場の設営やクレーン、登頂作業が不要となり、安全性も向上した。架台の設置スペースは、従来型より約8割、コンパクト化できた。ビルオーナーなどとの交渉時間や設置時間の短縮も実現した。
同社は、この架台の展開と総合エンジニアリング力により、5G(第5世代移動通信システム)基地局構築のスピードアップに貢献していく。
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