【アイ・セラミック・テクノロジーが 「カビ無い天井ボード」を発売】〝天井革命〟を実現 | 建設通信新聞Digital

4月16日 火曜日

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【アイ・セラミック・テクノロジーが 「カビ無い天井ボード」を発売】〝天井革命〟を実現


アイ・セラミック・テクノロジー(東京都港区、内冨秀明代表取締役)は、天井の結露を抑制し、カビを発生させない「カビ無い天井ボード」を発売した。熱遮断、結露防止、不燃、防音、防菌・抗カビ機能で高い評価を得て、湿気の多いスーパーや病院、食品工場などで導入が進んでいるセラミック塗料「アクシオン25」を天井ボードにコーティングしたものだ。カビやすい天井を改善し、環境と健康に優しい建築にする“天井革命”を実現する。

食品スーパーの天井例。手前側はカビが広がっているがカビ無い天井ボードを使用した中央部の四角いボードにカビは見られない



 SDGs(持続可能な開発目標)の観点で省エネルギーのニーズが高まり、建物の高気密・高断熱が追求される一方、それによる壁や天井の資材表面に発生する結露とカビが新たな問題となっている。
 特に天井は温かい空気がエアコンで冷やされて結露しやすく、室内で発生する蒸気もたまりやすい。加えて新型コロナウイルス対策による換気の強化が湿気を含む空気の流入量を増やし、天井の結露とカビの発生に拍車をかけている。石膏ボードや塗料は、カビの主要な栄養源が付着しやすく、天井は“カビの温床”になりかねない。

 結露とカビ対策が死活問題となっているのが全国の食品スーパーや食品工場、病院、厨房、脱衣所、食料貯蔵庫などだ。とりわけ、食品を扱う事業所ではHACCP(食品衛生管理基準)を満たすための必須条件となっており、対策に苦慮するところが多い。「カビ無い天井ボード」はまさにそうした課題を解決するために開発されたものであり、その効果も実証されている。
 ボードにコーティングされる「アクシオン25」は、製造元のエクセラ(http://exela.jp)が開発した。無機物の特殊セラミック素材で比熱容量が空気と同等のため、瞬時に室温と同じ温度になり結露の発生を防ぐことができる。カビのほか黄色ぶどう球菌や大腸菌など菌の発生を抑制する効果も持っている。静電気を帯びず、花粉やほこり、PM2.5などの微粒子も寄せ付けない。
 こうした性能は、東京大学や千葉大学の共同パートナーの研究成果を反映したもので、2010年の発売以来、その効果は継続的に検証されている。結果として国土交通省の不燃認定、ホルムアルデヒド放散等級の最上位規格F☆☆☆☆(F4スター)を取得し、金属の表面加工技術を表彰する大谷美術館賞も受賞するなど関係機関から評価を得ている。国交省のNETIS(新技術情報提供システム)も登録申請中だ。


(左)アクシオン25と一般アクリル塗料の塗り分けによる試験施工 (右)アクシオン25の公的機関抗菌試験結果




◆10年間の抗カビ保証付き
 アイ・セラミック・テクノロジーは「アクシオン25」の販売統括と2次加工製品の開発を担っている。今回開発した「カビ無い天井ボード」は▽店舗内に塗装臭を出さない▽短い夜間工事で張り替えできる▽繰り返しカビが発生するリスクがない--という3つのメリットがある上、10年間の抗カビ保証が付いている。内冨代表取締役は「従来のものだと、除カビ施工や抗菌塗料を塗布しても有機物や結露がある限りカビは発生する。1年保証が付いていても、毎年除カビ施工することになり、その負担は大きい。薬剤で殺すと耐性を持つスーパーバグ(多剤耐性菌)の発生が懸念される。このボードは栄養源をなくし、カビが住めない環境にするので10年保証できる」と秘訣を明かす。また、天井から胞子をばらまくカビは健康に対する脅威ともなり、「免疫力の低下した人は肺や気管支に重篤な症状を引き起こす恐れがある。高い致死率で問題となっているインドのムコール症もカビが原因とされる」と指摘する。

 こうした健康被害を防ぐため、アイ・セラミック・テクノロジーは「アクシオン25」を加工した「カビ無いシート」という壁紙や、高い遮断熱効果がある「ペンタガード」という屋外用セラミック塗料も販売しており、「カビ無い天井ボード」と合わせて使用することで抗カビ効果の高い空間を低コストで構築できる。
 空気の安全性に対する社会的関心も高まり、販売代理店や事業提携先が広がっている。「日本の建築はまだまだカビの健康被害に対する意識が低い。高気密・高断熱の弱点を『カビ無い天井ボード』で補完することで建物は環境と健康にも優しいものになる。カビが原因の肺炎や感染症を予防し、世界の空気を健康にしていきたい」と目標を高く掲げる。
 製品の問い合わせは電子メール(info@exela.jp)まで。



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