竹中工務店は、湾曲集成材を使った「木造複層格子梁」を開発、滋賀県近江八幡市にあるヴォーリズ学園の「ヴォーリズ記念アリーナ」に初めて適用した=写真。
ヴォールト形状の複層格子梁は「上弦材」と「斜材」「下弦材」の3層で構成。上弦材と下弦材の間に斜材を通す架構で、格子梁には欧州アカマツを使った湾曲集成材が用いられた。
トラス成を確保することにより部材の小断面化、製作工期の短縮を実現する。斜材は面内補剛の効果に加え、屋根の立体感も演出する。伝統木造の技術である「貫架構」を組み込み、屋根架構を一体化。木質系の母屋と組み合わせることで、より温かみのあるシンボリックなアリーナを実現した。
木造複層格子梁は、一粒社ヴォーリズ建築研究所と共同で特許出願済み。竹中工務店によると一般的な鉄骨屋根と比べて重量は8割ほどで、コストや工期などもほぼ同等だという。