【現場の逸品】仮設ゴンドラ内で防水材攪拌作業が可能に! 「オルタックVibraシステム」 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【現場の逸品】仮設ゴンドラ内で防水材攪拌作業が可能に! 「オルタックVibraシステム」

仮設ゴンドラ内に設置された高速振動攪拌機「オルタックVibraシステム」

 田島ルーフィングが、仮設ゴンドラ事業を手掛ける日本ビソー(東京都港区、黒田美喜雄社長)と共同で、ウレタン塗膜防水材を仮設ゴンドラ内で混合できる高速振動攪拌(かくはん)機「オルタックVibra(ビブラ)システム」を開発した。超高層マンションのベランダ防水工事で攪拌作業時にゴンドラから降車する必要がなくなり、施工環境の改善を実現する。田島ルーフィングの山本忠資防水営業部マンションリニューアル関東支店営業1課セクションマネージャーは「従来の方法と比べ効率よく施工できる」と強調する。
 一般的にマンション修繕のベランダ防水工事には、ウレタン塗膜防水材が広く採用されている。ウレタン塗膜防水材は施工の直前に主剤と硬化剤を混ぜ合わせてベランダに塗布し、2液の化学反応により硬化することで弾性状の防水被膜をつくる。

混合した缶をふたをしたまま運搬

 これまでは建物内に攪拌用の作業スペースを設け、主剤と硬化剤を缶からバケツなどに移してプロペラ型電動攪拌機で混合していた。そのため攪拌時ごとにゴンドラから降車しており手間がかかっていたほか、運搬時は混合液のこぼれや飛びはねにも注意する必要があった。
 オルタックVibraシステムは高さ965mm、幅430mm、奥行き380mm、重量76㎏の高速振動機を直接ゴンドラに設置した。9リットルの硬化剤の缶に主剤を入れ、ふたを閉めて高速振動機にかけるだけで自動的に混合が完了する。従来のように攪拌作業時にゴンドラからの降車が不要となるため作業効率の向上につながる。さらに缶にふたをしたまま施工個所まで運べるため清潔な作業環境を保てる。
 システムに適したウレタン塗膜防水材として、速硬化タイプだが混合後の硬化が始まるまでの施工可能時間を従来より1.5倍に延長した「オルタックサンキュア」と、補強メッシュが不要で一般的な補強工法と同等の強靱性を持つ「GO-JIN」の2種類を用意した。主剤と硬化剤それぞれに着色しており、攪拌状態が一目で確認できる。
 今後はシステムの応用も検討しており、山本マネージャーは「シーリングメーカーと提携して外壁シーリング材への適用も進めていきたい」と展望を明かす。リース料金(税別、運賃・取り付け費用除く)は1日当たり8000円。9月21日から提供を始める予定だ。

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