京都府建築士会（衛藤照夫会長）は、5回目となる「京都建築賞」の入賞作品を決定した。特別賞に香山壽夫氏、佐伯和俊氏、下川太一氏（香山壽夫建築研究所）の『ロームシアター京都』（左京区）、最優秀賞に若江直生氏（日建設計）の『京都産業大学　サギタリウス館』（北区）を選定した。
　このほか、奨励賞に多田正治氏（多田正治アトリエ）の『しづやKYOTO』（下京区）、藤井厚二賞に魚に大谷繁礼氏（魚に大谷繁礼建築研究所）の『太秦安井の住宅』（右京区）が選ばれた。
　2017年度通常総会で表彰式を行った＝写真。講評として、審査委員の米田明京都工芸繊維大教授は特別賞について「京都会館の設計者・前川國男との時間を超えた対話を通し、建築が市民の憩いや集いのスペースとして地域を活性化している。建築を超えた力を持ったプロジェクト」と評価。最優秀賞については「山の中腹の急勾配を利用した大階段という形で公共的スペースとし、学生の居場所をうまくつくっている。階段の裏に光を導入し、総合的に自然の中のキャンパスとしてよく考えられている」と説明した。
　京都建築賞は同会創立60周年を記念して12年に創設。前回までは会員に限定していたが、ことしは会員以外の作品についても応募を受け付けた。京都建築賞部門には21作品、藤井厚二賞部門には13作品の応募があったという。

　入賞作品は次のとおり（(1)竣工年(2)用途(3)規模(4)施工者）。
　▽ロームシアター京都（京都市左京区）＝(1)15年(2)劇場、物販、飲食(3)RC・SRC・S造地下2階地上6階建て延べ2万0701㎡(4)大林組。
　▽京都産業大学　サギタリウス館（同市北区）＝(1)16年(2)学校(3)S＋RC造5階建て延べ1万2962㎡(4)鴻池組。

　▽しづやKYOTO（同市下京区）＝(1)16年(2)簡易宿所(3)木造2階建て延べ338㎡(4)清水工務店。
　▽太秦安井の住宅（同市右京区）＝(1)12年(2)住宅(3)木造2階建て延べ225㎡(4)マサキ工務店。

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