【土木の太陽】「黒部の太陽」主人公モデル 笹島信義氏死去 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【土木の太陽】「黒部の太陽」主人公モデル 笹島信義氏死去

笹島信義氏(笹島建設会長)

 “黒四(クロヨン)”に挑み、トンネル工事一筋に歩んできた笹島信義(ささじま・のぶよし)笹島建設会長が、1日に死去した。99歳だった。通夜は9日午後6時30分から、葬儀・告別式は社葬として10日午前10時から、ともに東京都港区南青山2の33の20の青山葬儀所で営まれる。喪主は孫昭人(あきひと)さん。
 日本土木史に残る難工事の黒部川第四発電所第3工区大町ルート・黒部ルート建設工事では、熊谷組笹島班の班長として破砕帯の突破を指揮した。石原裕次郎主演の映画「黒部の太陽」では主人公のモデルにもなった。2013年の秋の叙勲では瑞宝単光章が授与された。

燦然と輝き続ける“土木の太陽” 大田弘熊谷組相談役

 不可能と言われたクロヨンでの破砕帯突破以来、青函トンネル、東京アクアラインなど、日本を代表する数々の難工事を乗り越えてきた笹島信義氏の不撓(ふとう)不屈の精神は、今後も語り継がれていく。その生きざまは困難に直面した時のリーダーとしての立ち振る舞い方、他人(ひと)を慮ることの大切さを思い起せと、建設業界に従事する者のみならず、現代を生きる多くの人々に教え続けてくれた。土木界の巨星はいま、燦然と輝く“土木の太陽”となって、永遠にわれわれを照らし続けてくれることだろう。心よりご冥福をお祈りします。

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