日本土木史に残る難工事の黒部川第四発電所第3工区大町ルート・黒部ルート建設工事では、熊谷組笹島班の班長として破砕帯の突破を指揮した。石原裕次郎主演の映画「黒部の太陽」では主人公のモデルにもなった。2013年の秋の叙勲では瑞宝単光章が授与された。
燦然と輝き続ける“土木の太陽” 大田弘熊谷組相談役
不可能と言われたクロヨンでの破砕帯突破以来、青函トンネル、東京アクアラインなど、日本を代表する数々の難工事を乗り越えてきた笹島信義氏の不撓(ふとう)不屈の精神は、今後も語り継がれていく。その生きざまは困難に直面した時のリーダーとしての立ち振る舞い方、他人(ひと)を慮ることの大切さを思い起せと、建設業界に従事する者のみならず、現代を生きる多くの人々に教え続けてくれた。土木界の巨星はいま、燦然と輝く“土木の太陽”となって、永遠にわれわれを照らし続けてくれることだろう。心よりご冥福をお祈りします。