【移動事務所】万博工事現場に試験導入/竹中工務店 | 建設通信新聞Digital

5月17日 金曜日

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【移動事務所】万博工事現場に試験導入/竹中工務店

大阪・関西万博の工事現場での活用状況


 竹中工務店は、工事敷地内を自由に移動しつつ、工事事務所としての機能を発揮する「牽引(けんいん)式オフグリッド型モバイルハウス」を開発した。通常の工事事務所と同様の機能を備え、作業効率の向上につながり、生産性向上と執務環境の改善に貢献する。2025年大阪・関西万博の工事におけるサテライト事務所として、11月から試験導入している。
 通常、建設工事では工事事務所を設置することが一般的だが、広大な建設現場では、工事担当者が工事事務所と現地を往復することが大きな負担となる。そこで、同モバイルハウスを開発、試験導入した。執務環境の改善に貢献することから、時間外労働の上限規制に対応した働き方改革の実現にもつなげる。
 同モバイルハウスのサイズは、長さ4.6m、幅2.2m、天井高さ1.86mとなっている。公道走行時は、別途けん引車による移動を行う。既設の電源や通信設備、または電気や通信のインフラがない場所でも、ソーラーパネルと蓄電池、制御機器からなる自立電源システムと衛星インターネット(スターリンク)の搭載により、自立通信が可能となっている。
 ソーラーパネルで発電した電気は蓄電池に充電され、空調設備や事務機器などに電気を供給する。市販の駆動装置(ムーバー)を装備し、リモコンによる低速移動が可能で、工事敷地内を移動できる。モバイルハウスは、クロコアートファクトリー社製のRoomette Longを活用し、自立電源システムは、日立ハイテクの協力を得た。
 今回の試験導入により、生産性向上や執務環境の改善に貢献する効果を検証した上で、移動式工事事務所や作業員の休憩所(熱中症対策室)としての活用展開を予定している。

 

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