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5月2日 金曜日

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【試験・開発Cに160億投資】水素インフラ関連を新たな柱/荏原製作所

商用製品試験・開発センターの外観イメージ


 荏原製作所は、水素インフラ関連事業を新たな柱とし、売上収益を2030年に300億円、40年に2000億円以上の規模とする目標を掲げている。総額160億円を投じ、水素インフラ関連機器の商用製品試験・開発センターを新設する。同施設では、水素サプライチェーンの構築に必須となる、液体水素ポンプの社会実装を遂行するための液体水素(実液)を使った製品性能試験や要素技術開発を行う。液体水素向けポンプの実液を使った実スケール商用製品試験設備は、同センターが世界初だという。26年6月の竣工を目指す。

 燃焼時にCO2を排出しない水素は、温暖化対策の面で注目されている。荏原グループでは、水素を「つくる・はこぶ・つかう」の全ての分野で水素関連技術の社会実装に向けて、グループで持つ技術、事業を活用している。既に液体水素昇圧ポンプを市場投入し、全世界で販売している。

 新設する施設の名称は「(仮称)Ebara-Hydrogen Equipment Test and Development Center(E-HYETEC=イーハイテック)」。所在地は、千葉県富津市の自社所有地内で、敷地面積は約1万8000㎡、建物面積は約2800㎡。規模は、S造2階建て延べ約3400㎡。液体水素ポンプ製品性能試験設備、関連要素技術開発設備などを備えた、天候に左右されない屋内閉鎖型試験施設となる。

 液体水素を移送・昇圧する液体水素ポンプは、液体水素サプライチェーンの構築に必須となる。安全かつ安定的に使うためには、マイナス253度の水素実液を使った性能試験による品質確認が不可欠だ。

 同施設では、実スケールで商用製品の水素実液を用いた製品性能試験や要素技術開発が実施できる。水素サプライチェーン構築を目指す国内外の企業などの水素関連技術開発、水素サプライチェーンの構築にも役立てたい考え。

 

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