【技術部の使命は?/現場を支え結果出す】
世紀東急工業技術本部技術部長に就任した板東芳博氏は、「技術部の第一の使命は、現場を支えることだ」と力を込める。人手不足を背景とした生産性向上や、カーボンニュートラル実現のためのCO2削減などのトレンドに対応するため、長寿命化技術やアスファルトフィニッシャー(AF)の遠隔操作、代替アスファルトの開発に注力する方針を示し、「業界で先手を打って技術開発する。会社の利益だけでなく先行者としてのメリットも生み、技術によって会社、現場をサポートしていきたい」と意気込む板東部長に、技術部の取り組みについて聞いた。 技術本部技術部は、「技術企画グループ」「技術グループ」「建設DXグループ」の3グループ体制を敷く。技術企画グループは技術情報を収集し、事業領域の拡大を図る。技術グループは、特殊工法の技術指導、受注前の技術提案のサポートに関わる。建設DXグループは、ICT舗装の現場支援のほか、DX(デジタルトランスフォーメーション)関連技術の導入に伴う検証・開発を担う。
技術によって現場を支えるため、「工事、営業、利益のそれぞれで結果を出すことにいかに貢献するかを意識するよう技術部員と改めて共有した」という。「現場、技術の両部署をバランスよく経験してきたことを生かし、現場に寄り添った対応をしていく」構えだ。
工事では、生産性や品質、工事評点の向上、逸失利益を生まないようにする。営業面は、新技術、独自技術で受注の優位性を持たせる。さらに、工事成績評定の「創意工夫」の項目での加点を狙うほか、DXといった新技術を活用し、生産性向上を図って利益を生み出していく。
「現場を支えるだけでなく、引っ張る役割もある」とも。「現場には多忙な技術員が多く、新しい情報などを仕入れにくい状況」と指摘する。現場から意見を聞く中で、既存の技術が広まっていないケースも見られることから、「情報提供の必要性を感じている」
現場の課題に対応するため、「技術支援制度」を活用し、現場に新技術を取り入れている。同制度は、研究テーマを決める中で社員からの要望を洗い出し、現場の課題解決を図るもので、「現場技術員が少しでも楽になる技術開発に着目している」と話す。実際、現場からは出来型管理や品質管理を楽にしたいという要望が多いという。
道路舗装業界では、「新技術導入促進計画をはじめとする、新しい技術を取り入れる動きが活発だ」との認識を示す。同社が業界に先駆けて開発を進めるAFの遠隔操作については、「i-Construction2.0の流れにも沿っており、業界をリードしていきたい」と力強く語る。最終的にはAFの自動化を目指しており、技術研究所と連携して開発していく。施工の自動化に向けた取り組みが推進される中、新設現場での適用を目指す。これまで、直轄現場2カ所で実証を実施。今年はNEXCO発注の新設工事の現場での実証を検討している。
* *
(ばんどう・よしひろ)1995年3月北大工学部土木工学科卒後、同年4月世紀東急工業入社。高速道路工事を中心に現場での施工管理に従事した後に、2005年6月技術本部技術部に配属。21年4月同技術研究所長などを経て、25年4月から現職。趣味はスポーツ観戦、マラソン、スキー、音楽・舞台鑑賞。モットーは「広く深く」。「技術に関しても、ゼネラリストでありながらスペシャリストでもある」ことを目指す。東京都出身、54歳。
世紀東急工業技術本部技術部長に就任した板東芳博氏は、「技術部の第一の使命は、現場を支えることだ」と力を込める。人手不足を背景とした生産性向上や、カーボンニュートラル実現のためのCO2削減などのトレンドに対応するため、長寿命化技術やアスファルトフィニッシャー(AF)の遠隔操作、代替アスファルトの開発に注力する方針を示し、「業界で先手を打って技術開発する。会社の利益だけでなく先行者としてのメリットも生み、技術によって会社、現場をサポートしていきたい」と意気込む板東部長に、技術部の取り組みについて聞いた。 技術本部技術部は、「技術企画グループ」「技術グループ」「建設DXグループ」の3グループ体制を敷く。技術企画グループは技術情報を収集し、事業領域の拡大を図る。技術グループは、特殊工法の技術指導、受注前の技術提案のサポートに関わる。建設DXグループは、ICT舗装の現場支援のほか、DX(デジタルトランスフォーメーション)関連技術の導入に伴う検証・開発を担う。
技術によって現場を支えるため、「工事、営業、利益のそれぞれで結果を出すことにいかに貢献するかを意識するよう技術部員と改めて共有した」という。「現場、技術の両部署をバランスよく経験してきたことを生かし、現場に寄り添った対応をしていく」構えだ。
工事では、生産性や品質、工事評点の向上、逸失利益を生まないようにする。営業面は、新技術、独自技術で受注の優位性を持たせる。さらに、工事成績評定の「創意工夫」の項目での加点を狙うほか、DXといった新技術を活用し、生産性向上を図って利益を生み出していく。
「現場を支えるだけでなく、引っ張る役割もある」とも。「現場には多忙な技術員が多く、新しい情報などを仕入れにくい状況」と指摘する。現場から意見を聞く中で、既存の技術が広まっていないケースも見られることから、「情報提供の必要性を感じている」
現場の課題に対応するため、「技術支援制度」を活用し、現場に新技術を取り入れている。同制度は、研究テーマを決める中で社員からの要望を洗い出し、現場の課題解決を図るもので、「現場技術員が少しでも楽になる技術開発に着目している」と話す。実際、現場からは出来型管理や品質管理を楽にしたいという要望が多いという。
道路舗装業界では、「新技術導入促進計画をはじめとする、新しい技術を取り入れる動きが活発だ」との認識を示す。同社が業界に先駆けて開発を進めるAFの遠隔操作については、「i-Construction2.0の流れにも沿っており、業界をリードしていきたい」と力強く語る。最終的にはAFの自動化を目指しており、技術研究所と連携して開発していく。施工の自動化に向けた取り組みが推進される中、新設現場での適用を目指す。これまで、直轄現場2カ所で実証を実施。今年はNEXCO発注の新設工事の現場での実証を検討している。
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(ばんどう・よしひろ)1995年3月北大工学部土木工学科卒後、同年4月世紀東急工業入社。高速道路工事を中心に現場での施工管理に従事した後に、2005年6月技術本部技術部に配属。21年4月同技術研究所長などを経て、25年4月から現職。趣味はスポーツ観戦、マラソン、スキー、音楽・舞台鑑賞。モットーは「広く深く」。「技術に関しても、ゼネラリストでありながらスペシャリストでもある」ことを目指す。東京都出身、54歳。