自動物流道路/官民協議会が発足/建設、物流など79社参加/国交省 | 建設通信新聞Digital

5月19日 月曜日

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自動物流道路/官民協議会が発足/建設、物流など79社参加/国交省

 国土交通省は16日、自動物流道路の社会実装に向けたコンソーシアムを立ち上げた。建設や物流などの分野から、自動物流道路の整備・運営、利用に関心のある79社が参加。今年度は技術検証のための実証実験などに取り組む。物流危機の切り札と位置付ける構想の具体化に向けて大きな一歩を踏み出す。
               =関連2面 コンソーシアムでは、自動物流道路の事業性や実装に向けた技術開発、インフラ整備の在り方を検討する。傘下には三つの分科会を設置。ビジネスモデル分科会は淡路武彦旭化成購買・物流統括部長、オペレーション分科会は北條英日本ロジスティクスシステム協会理事、インフラ分科会は杉井淳一NEXCO中日本経営企画本部経営企画部長が代表幹事を務める。
 今年度は搬送機器の走行性能を検証するための実証実験に取り組む。オペレーション分科会で検証事項などを設定し、8、9月に実証実験の事業者を公募する。11月から2026年2月に国土技術政策総合研究所の試験走路などで実施し、3月に結果をまとめる。27年度には新東名高速道路新秦野~新御殿場間などで第2弾の実証実験を行う。
 このほか、今年度はビジネスモデル分科会で事業シミュレーションを実施し、事業成立に向けた論点を定める。オペレーション分科会は技術開発の工程表を策定するほか、インフラ分科会は具体的な整備区間を想定したケーススタディーを実施する。
 東京・霞が関の同省で開かれた初会合には約160人が参加。中野洋昌国交相はコンソーシアムの設立を宣言し、「物流の危機を転機に変えて、未来の日本社会を支える持続可能な物流の姿を描き、実現するため力添えをいただきたい」と呼び掛けた=写真。
 真貝康一日本物流団体連合会会長は「自動物流道路の構築に向けて具体的な一歩を踏み出すことに大きな関心を寄せている。コンソーシアムで議論が深化することを期待している」と述べた。
 自動物流道路に関する検討会委員長の羽藤英二東大大学院工学系研究科教授は「この会の創造的な議論が、わが国の大きなイノベーションを引き起こす引き金になると信じている」とビデオメッセージを寄せた。