2年連続で過去最高更新/12.6%増の2兆5808億円/海建協の24年度海外建設受注 | 建設通信新聞Digital

7月27日 日曜日

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2年連続で過去最高更新/12.6%増の2兆5808億円/海建協の24年度海外建設受注

2024年度海外建設受注実績 (単位:100万円)
 海外建設協会(佐々木正人会長)は、会員52社を集計した2024年度の海外建設受注実績をまとめた。受注総額は、前年度比12.6%増の2兆5808億円となり、2年連続で過去最高を更新した。受注件数は年間200件弱減少したものの、工事の大型化などを背景に受注額が積み上がった。物価高の影響も多少はあるとみられるが、純粋に受注量が増えたという。海外受注はコロナ禍で20年度に急減したが、その後は4年連続で前年度実績を上回っている。 地域別を見ると、最大市場のアジアは、39.1%増の1兆4263億円と大幅なプラスとなり、過去最高を記録した。シンガポールの公益施設や港湾、鉄道、台湾の商業施設や地下鉄、発電所、バングラデシュの港湾などの大型案件が寄与した。
 アジアに次ぐ市場規模の北米も、16.3%増の9161億円と好調だった。大規模な上下水道工事をはじめ、土木、建築工事が複数あった。
 このほか、中東・北アフリカは11.2%増の190億円、アフリカは55.0%減の225億円、中南米は7.2%減の400億円、欧州は4.7%増の45億円、東欧は38.9%減の951億円、大洋州は72.8%減の569億円となっている。
 現地法人による受注額は、0.4%増の1兆8891億円となり、全体の73.2%を占めた。これも過去最高額となる。また、本邦法人はアジアの大型案件の影響で、67.8%増の6917億円と大幅に増加した。
 資本金・発注者別を見ると、「公共(自己資本)」が1兆2209億円を記録し、初めて最大の構成比を占めた。次いで、「民間・現地企業」が8378億円、「民間・日系企業」が3135億円、「円借款案件」が1694億円、「無償案件」が383億円だった。
 国別トップ10によると、上位3カ国は前年と同じで、米国が8898億円、シンガポールが4914億円、台湾が2702億円となった。6位までが1000億円超えで、タイが1739億円、インドネシアが1252億円、バングラデシュが1126億円となっている。
 佐々木会長は、6日の定時総会後に開いた記者会見で「今後も、会員各社がわが国建設企業の強みである品質、技術力の優位性を生かして事業活動を展開していけるよう協会として支援していく。OCAJIプロジェクト賞の受賞案件など、わが国建設企業が実施した質の高い海外プロジェクトの積極的な広報にも努める」と述べた。
 海建協は、さまざまな不確定要素が存在するものの、25年度もアジアや北米、東欧などで建設需要は堅調に推移するとみている。特に国内総生産(GDP)が毎年伸び、人口も増え続けているアジアは、まだまだインフラや建築物の整備が拡大すると予想している。