
「事故の時は大変でしたね。でも、『遺憾の意』を表明するのではなく、自分事として対応されて大変立派でした」。ある団体の懇親会で、国土交通省OBがデベロッパー幹部に掛けた言葉だ。自社の開発現場で社会的にも大きなニュースになった事故が起きたデベロッパーの対応をねぎらった◆かつて建設現場で事故が起きると、デベロッパーが『遺憾の意』を表明するのが一般的だった。事故の全責任は請負契約を結んだ施工者にあるというのがその理由で、国交省もその認識を追認していた◆それから20年。サプライチェーン全体での持続可能性向上に対する意識が高まり、発注者にとっても事故は他人事ではなくなった◆全国安全週間は7日までだが、気を緩めず、発注者も含めたサプライチェーン一丸で事故防止に努めてほしい。