
三菱商事が秋田・千葉両県沖で進めていた洋上風力発電所開発からの撤退を表明し、ハレーションが起きている◆武藤容治経済産業相は、日本の洋上風力導入に遅れをもたらすことへの遺憾を表明。地元も開発に伴う地域振興などを期待していただけに、落胆の声が漏れ聞こえる◆撤退理由に採算悪化を挙げているが、そもそも2021年の公募で他社より大幅に安い売電価格で落札に至った。この評価が妥当だったのか、また事業計画も甘かったのではと指摘されている◆今回のペナルティーは積み立てた保証金約200億円の没収と次期公募への参加を認めないことだけ。影響の大きさから考えれば甘すぎる気もする。三菱商事には大手企業として、これまでの開発で得たノウハウやデータなどを公開し社会的責任を果たしてほしい。