【市町村は3割にとどまる】
全国建設業協会(今井雅則会長)が、会員1891社の回答を集計してまとめた「2025年度発注関係事務の運用状況等に関するアンケート報告書」によると、ワンデーレスポンスとウイークリースタンスの実施割合は、国土交通省でも7割前後にとどまり、市区町村に至っては3割前後しかないことが分かった。全建の担当者は「現場技術者の働き方に大きく影響する施策であり、国交省を含めて一層の推進を働き掛けたい」としている。 現場運営の円滑化につながるワンデーレスポンスやウイークリースタンスは、業務で先行して取り組まれてきたが、建設業の働き方改革などを踏まえ、工事でも活用する動きが近年広がっている。
直近1年間(24年6月-25年5月)における発注者別のワンデーレスポンスの実施状況によると、国交省は72.6%、農林水産省は56.4%、防衛省は47.4%、都道府県・政令市は45.4%、市区町村は32.8%となった。
ウイークリースタンスは、国交省が69.6%、農水省が47.1%、防衛省が39.7%、都道府県・政令市が36.6%、市区町村が27.7%となっている。
また、設計変更手続きの迅速化や透明性確保のために、受発注者が集まって協議する設計変更審査会の開催状況を聞いたところ、国交省は80.8%で開催されているのに対し、都道府県・政令市は36.1%、市区町村は27.6%にとどまるという結果だった。
自由意見を見ると、「ワンデーレスポンスを徹底してほしい。回答待ちの状況が続き工事が進まない」「働き方改革を理由に、発注者側からのレスポンスが遅れるケースが増えている」「都道府県ではASP(情報共有システム)が導入されているにもかかわらず、監督員の承認が下りずに、1週間以上協議が進まないことがある」「監督員の知識や経験が少なく回答が遅い」などの指摘が上がっている。議事録作成を巡り、音声データの提出を認めてほしいといった声もあった。
時間外労働発生の主要因の一つとされる工事関係書類の作成業務について、簡素化の進展状況も尋ねた。簡素化が「進んでいる・一部進んでいる」の割合は、国交省が82.9%となっているのに対し、農水省は63.3%、防衛省は54.9%、都道府県・政令市は57.9%、市区町村は38.0%とまだまだ道半ばの状況だ。
書類簡素化の問題点は、「発注者側担当者によって必要書類が異なる」が最多で、次いで「紙とデータの両方の提出が必要」「本来不要な書類の提出を求められた」などが多くなっている。
また、「従来の書類は簡素化されたが、新たに作成が必要となった書類も多い」との指摘も少なくない。ICT活用や熱中症対策、週休2日、建設キャリアアップシステムへの対応、化学物質管理やアスベスト調査など、現場技術者に作成が求められる書類が近年追加され、総量がなかなか減らない状況に陥っているという。
全国建設業協会(今井雅則会長)が、会員1891社の回答を集計してまとめた「2025年度発注関係事務の運用状況等に関するアンケート報告書」によると、ワンデーレスポンスとウイークリースタンスの実施割合は、国土交通省でも7割前後にとどまり、市区町村に至っては3割前後しかないことが分かった。全建の担当者は「現場技術者の働き方に大きく影響する施策であり、国交省を含めて一層の推進を働き掛けたい」としている。 現場運営の円滑化につながるワンデーレスポンスやウイークリースタンスは、業務で先行して取り組まれてきたが、建設業の働き方改革などを踏まえ、工事でも活用する動きが近年広がっている。
直近1年間(24年6月-25年5月)における発注者別のワンデーレスポンスの実施状況によると、国交省は72.6%、農林水産省は56.4%、防衛省は47.4%、都道府県・政令市は45.4%、市区町村は32.8%となった。
ウイークリースタンスは、国交省が69.6%、農水省が47.1%、防衛省が39.7%、都道府県・政令市が36.6%、市区町村が27.7%となっている。
また、設計変更手続きの迅速化や透明性確保のために、受発注者が集まって協議する設計変更審査会の開催状況を聞いたところ、国交省は80.8%で開催されているのに対し、都道府県・政令市は36.1%、市区町村は27.6%にとどまるという結果だった。
自由意見を見ると、「ワンデーレスポンスを徹底してほしい。回答待ちの状況が続き工事が進まない」「働き方改革を理由に、発注者側からのレスポンスが遅れるケースが増えている」「都道府県ではASP(情報共有システム)が導入されているにもかかわらず、監督員の承認が下りずに、1週間以上協議が進まないことがある」「監督員の知識や経験が少なく回答が遅い」などの指摘が上がっている。議事録作成を巡り、音声データの提出を認めてほしいといった声もあった。
時間外労働発生の主要因の一つとされる工事関係書類の作成業務について、簡素化の進展状況も尋ねた。簡素化が「進んでいる・一部進んでいる」の割合は、国交省が82.9%となっているのに対し、農水省は63.3%、防衛省は54.9%、都道府県・政令市は57.9%、市区町村は38.0%とまだまだ道半ばの状況だ。
書類簡素化の問題点は、「発注者側担当者によって必要書類が異なる」が最多で、次いで「紙とデータの両方の提出が必要」「本来不要な書類の提出を求められた」などが多くなっている。
また、「従来の書類は簡素化されたが、新たに作成が必要となった書類も多い」との指摘も少なくない。ICT活用や熱中症対策、週休2日、建設キャリアアップシステムへの対応、化学物質管理やアスベスト調査など、現場技術者に作成が求められる書類が近年追加され、総量がなかなか減らない状況に陥っているという。