日建協新執行部/産業全体の底上げを/適正な時間管理にも注力 | 建設通信新聞Digital

9月9日 火曜日

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日建協新執行部/産業全体の底上げを/適正な時間管理にも注力

(左から)佐長副議長、青山議長、田中副議長
 8月の定期大会で新執行部が発足した日本建設産業職員労働組合協議会(日建協)。青山敏幸議長(フジタ職員組合)ら正副議長が建設専門各紙のインタビューに応じ、今後の活動方針などを語った。青山新議長は「2025年は『ともに創ろう あなたが輝ける建設産業を』というスローガンを掲げた。産業政策活動と加盟組合支援を2本柱に活動を推進し、産業全体のさらなる底上げと加盟組合にとって有益となる活動を実践していく」と表明した。 担い手の確保・定着や働き方改革の推進、長時間労働の是正と適正な労働時間管理、生産性向上など、さまざまな課題が山積する中、青山議長は「一つの組合だけでは解決できない課題に対し、日建協というゼネコン唯一の産別労働組合を組織する35加盟組合が共に協力し、環境改善に取り組む。まずは働くことの魅力を高め、組合員一人ひとりが輝ける産業にしたい」と展望する。
 最大の課題は「やはり担い手確保。処遇改善や若手育成などの取り組みはもちろんだが、建設産業全体の魅力発信が課題解決の糸口になると考えている。日建協として、国や外部団体、他産別組合などと引き続き意見を交わしながら、改善に向けた働き掛けを行っていきたい」という。
 建設業に時間外労働の上限規制が適用されて1年以上が経過した中、「現場閉所や休日拡大を含め、総労働時間の削減を推進する。また、実態と申告が乖離(かいり)しているケースがあるため、労働時間の適正管理にも注力したい」との方針を示す。
 佐長健副議長(五洋建設労働組合)は「建設業の魅力を発信する力が弱いと常々思っている。外部への発信や要請活動をしっかりと行っていきたい。また、日建協として4週8閉所ステップアップ運動を展開し、土曜閉所は着実に進んできたが、他産業と比べるとまだ休日は少ない。土日に祝日、大型連休を加え、年間130日くらいの休日確保を目指すべきだ」との考えを披露した。
 田中仁樹副議長(飛島建設労働組合)は「議長と同じく、担い手確保が最大の課題だと思っている。今後、産業全体で働き手が減っていくのは明らか。建設産業の魅力発信や労働環境改善などの取り組みは、全て担い手確保につながってくる。しっかりと問題意識を持ち、途切れることなく、国土交通省への政策提言を行っていきたい」と強調した。
 日建協では、単身赴任者の帰宅旅費の非課税化を長年要望してきたが、乗り越えるべきハードルは高い。田中副議長は「他産別組合でも関心を持つところが出てきた。この点に問題意識を持ってくれる母数を増やしたい。また、日本建設業連合会の税制改正要望に組み込んでもらえるよう働き掛けていく」という。