ウクライナ復興へ独自支援/日本企業参画目指し環境整備/PFI協会 | 建設通信新聞Digital

9月19日 金曜日

団体

ウクライナ復興へ独自支援/日本企業参画目指し環境整備/PFI協会

左からナタリヤ理事長、植田会長、阿部社長
寄贈する4tアームロールトラック
破壊された地域のインフラストラクチャー
 日本PFI・PPP協会(植田和男会長兼理事長)が、ウクライナの復興支援に向けて独自の取り組みを展開している。ウクライナの市町村が加盟する「Mayors Club(市町村長会)」との間でウクライナ復興支援に関する覚書を交わし、ロシア国境から約30㎞に位置するトロスティアネッツ市の復興支援について合意した。将来的な復興事業の本格化を見据え、インフラなどの復興プロジェクトにPFI・PPPを導入し、日本企業が参画できるよう環境整備を進めていく方針だ。
 トロスティアネッツ市では、交通インフラや上下水道、医療施設、住宅、教育施設など、数多くの施設が戦火によって破壊された。同協会は市とオンライン会議で、さまざまな情報交換を進めているが、発電機やトラックなどのニーズが高いことから、同協会はこうした物資の寄贈にも乗り出している。これまでクラウドファンディングなども活用しながら、奈良県橿原市と共に小型発電機11台、変圧器11台を市に寄贈した。
 18日には、タケエイから4tのアームロールトラックを譲り受け、トロスティアネッツ市に寄贈する式典が東京都港区のタケエイ本社で開かれた。植田会長は「がれき処理などにトラックが必要だが、戦争で破壊されてしまった。このため、タケエイの阿部光男社長に相談した」と経緯を説明。阿部社長は「これまでの救援金に加え、車両を支援することになった。一日も早い平和・復興に向け役立つことを願う」と述べた。日本ウクライナ友好協会のコヴァリョヴァ・ナタリヤ理事長は「当協会はトラックをウクライナまで輸送する支援を行う。今回の支援に参加でき、うれしい」と話した。
 ユーリー・ボヴァ市長は「このトラックは、都市インフラの強化に大きく寄与し、日々の業務を支え、地域住民の生活の質を向上させると確信している」と感謝のメッセージを寄せた。
 ウクライナの復興支援に向けては、国土交通省が1月に「日ウクライナ・国土交通インフラ復興に関する官民協議会」を立ち上げ、ゼネコンなどの日本企業に協力を呼び掛けている。日本PFI・PPP協会も官民協議会の会員で、「ウクライナの市町村からの情報も積極的に提供していきたい」(植田会長)としている。