全国建設業協会(今井雅則会長)と47都道府県建設業協会が、国土交通省などと業界を取り巻く諸課題について意見を交わす2025年度の地域懇談会・地方ブロック会議が、8日の関東甲信越地区からスタートした。10都県の建協で構成する関東甲信越地方建設業協会長会(会長・青柳剛群馬建協会長)は、26年度から始まる第1次国土強靱化実施中期計画の初年度分として、25年度補正予算で2兆円を上回る公共事業費の計上を要望。適用から1年半余りが経過した時間外労働上限規制は、受注内容や気象条件に左右される建設業にはそぐわないと指摘し、「年720時間」と「月45時間超は6カ月まで」の緩和を訴えた。 25年度の皮切りとなる会合は、東京・大手町の経団連会館で開き、国交省本省や関東、北陸、中部各地方整備局、都県、各建協の幹部らが一堂に会した=写真。
開会に当たり、木下修副会長が青柳会長のメッセージを代読し、「建設業の課題は、人材確保・育成、生産性の向上、災害対応組織力の強化というこれまでの3点に、労働時間と働き方の問題が加わる。意見交換会を通して、コミュニケーションをしっかりと深めていきたい」と述べた。
来賓として出席した国交省の楠田幹人不動産・建設経済局長は「直面する課題に現場で向き合い、業界全体の発展のために日々苦労している皆さまの声をしっかりと聞き、施策の充実、強化につなげていく」と話した。
小林賢太郎官房技術審議官は「近年の猛暑への対応など地域の実情を踏まえつつ、最新の知見、技術を総動員した多様な働き方の支援など、他産業と遜色のない労働環境の実現を目指す」と語った。
橋本雅道関東整備局長は「関東地方においても、高齢化や若手入職者の減少が深刻になりつつある。地域の担い手の持続的な確保に向け、働き方改革、生産性向上、魅力の向上などが一層重要になっている」との見解を示した。
全建の今井会長は「建設業が魅力ある憧れの産業となることを目指し、引き続き、処遇の改善やDX(デジタルトランスフォーメーション)、ICT活用を主体とした生産性向上などに取り組んでいく」と強調した。
会議では、東京を除く9建協がそれぞれの要望事項を説明した。「5年20兆円強」という事業規模が示されている国土強靱化実施中期計画を巡っては、現行5か年加速化対策の実績をベースに、事業費の半分を国費の公共事業費(5年10兆円強)と想定し、初年度はその5分の1に当たる2兆円超を措置するよう要望した。併せて、26年度当初予算は、建設コストの増大に対応しながらも、建設投資額が実質的に増えるレベルの公共事業予算の拡充を求めた。
時間外労働規制に関しては、一品受注生産で地理的条件や工種、工期によって繁忙期が左右され、予測できない猛暑や降雨・降雪などに対処する必要がある現地屋外生産の建設業は、働き方自体が他産業と全く異なり、画一的な規制への対応が難しいことは明らかと指摘。明確な見通しが求められる変形労働時間制にも不向きとし、業界の実態に即して労働者が柔軟に働ける環境整備の一環として、上限規制の一部項目の緩和を提案した。
このほか、ICT技術者の確保・育成を支援する制度の創設や諸経費の増額、積算基準の見直しなどによりさらなる熱中症対策、最低制限価格の算定基準率の引き上げ、国と業界が連携した外国人材(技能者、技術者)の体系的な教育と受け入れ環境整備なども要望した。
開会に当たり、木下修副会長が青柳会長のメッセージを代読し、「建設業の課題は、人材確保・育成、生産性の向上、災害対応組織力の強化というこれまでの3点に、労働時間と働き方の問題が加わる。意見交換会を通して、コミュニケーションをしっかりと深めていきたい」と述べた。
来賓として出席した国交省の楠田幹人不動産・建設経済局長は「直面する課題に現場で向き合い、業界全体の発展のために日々苦労している皆さまの声をしっかりと聞き、施策の充実、強化につなげていく」と話した。
小林賢太郎官房技術審議官は「近年の猛暑への対応など地域の実情を踏まえつつ、最新の知見、技術を総動員した多様な働き方の支援など、他産業と遜色のない労働環境の実現を目指す」と語った。
橋本雅道関東整備局長は「関東地方においても、高齢化や若手入職者の減少が深刻になりつつある。地域の担い手の持続的な確保に向け、働き方改革、生産性向上、魅力の向上などが一層重要になっている」との見解を示した。
全建の今井会長は「建設業が魅力ある憧れの産業となることを目指し、引き続き、処遇の改善やDX(デジタルトランスフォーメーション)、ICT活用を主体とした生産性向上などに取り組んでいく」と強調した。
会議では、東京を除く9建協がそれぞれの要望事項を説明した。「5年20兆円強」という事業規模が示されている国土強靱化実施中期計画を巡っては、現行5か年加速化対策の実績をベースに、事業費の半分を国費の公共事業費(5年10兆円強)と想定し、初年度はその5分の1に当たる2兆円超を措置するよう要望した。併せて、26年度当初予算は、建設コストの増大に対応しながらも、建設投資額が実質的に増えるレベルの公共事業予算の拡充を求めた。
時間外労働規制に関しては、一品受注生産で地理的条件や工種、工期によって繁忙期が左右され、予測できない猛暑や降雨・降雪などに対処する必要がある現地屋外生産の建設業は、働き方自体が他産業と全く異なり、画一的な規制への対応が難しいことは明らかと指摘。明確な見通しが求められる変形労働時間制にも不向きとし、業界の実態に即して労働者が柔軟に働ける環境整備の一環として、上限規制の一部項目の緩和を提案した。
このほか、ICT技術者の確保・育成を支援する制度の創設や諸経費の増額、積算基準の見直しなどによりさらなる熱中症対策、最低制限価格の算定基準率の引き上げ、国と業界が連携した外国人材(技能者、技術者)の体系的な教育と受け入れ環境整備なども要望した。