日本埋立浚渫協会(清水琢三会長)と国土交通省各地方整備局などとの2025年度意見交換会が、14日の関東地区を皮切りに始まる。11月中旬までの約1カ月の間に、全国10地区で順次開催する。働き方改革をさらに進展させるため、あらかじめの計画的な休日取得や一層の書類削減などを推進。海上コンクリート打設や施工箇所が点在する工事など、施工実態と乖離(かいり)している積算基準にもメスを入れる。 今年の意見交換会は、「魅力あるサステナブルな港湾建設産業を目指して」を大テーマに、▽働き方改革の一層の推進▽現場の実態に合った適切な発注▽担い手の確保・育成・処遇改善▽生産性の向上とGX(グリーントランスフォーメーション)の推進--の4テーマを設定した。
会員企業が受注した工事のうち、24年度に完成または25年5月20日までに契約した国発注工事357件を対象としたアンケート結果によると、週休2日の取り組みは、ほぼ完遂と言えるレベルに達している。4週8閉所以上の工事は全体の95%を占め、元請け職員の4週8休以上の割合は99%に上った。
4週8休が定着する一方、約4分の1は「荒天日を休日」としており、そのうちの約半数が当日または前日に休日判断を下すなど、計画的な休日取得ができていない。埋浚協は「休日の質の向上に取り組む」とし、受発注間での休日取得方法の協議・合意の徹底などを働き掛ける。
コンクリート打設やクレーン作業など関連産業の上限規制対応による工期・コストへの影響を考慮した発注と、施工中の条件変更への柔軟な対応、24年8月から始まった「従業員給料手当等に関する試行工事」における現場支援部署(バックオフィスなど)の精算対象への追加なども提案する。
新たに追加したテーマ「現場の実態に合った適切な発注」は今年度の目玉。工期設定や契約変更事務に関するガイドラインの適正な運用をはじめ、荒天リスク精算型試行工事の拡大や休日確保評価型試行工事(工期指定)における工期短縮提案要求の原則禁止と、必要に応じた「S1型」の試行などを求める。
積算と施工実態の乖離問題を巡っては、海上コンクリート打設(自積・台船バケット方式)は、実際にはほとんど行われていないとし、品質・安全・施工性を重視したポンプ車によるコンクリート打設を標準積算とするよう要望する。また、コンクリートミキサー船の拘束日数は、設計と実施工に大きな乖離があると指摘し、積算基準で「0.3」となっている拘束発生率の改定を働き掛ける。埋浚協の調査によると、積算上の拘束発生率0.3に対して、単一工種で「3.75(設計の12.5倍)」、複数工種で「1.04(同3.47倍)」の乖離が見られた。
同一工事で施工箇所が複数存在する工事は、現場事務所や安全設備、施工管理要員などの費用が増加するものの、港湾土木請負工事積算基準には費用計上に関する記載がないという。施工箇所が点在・分散する工事では、共通仮設費と現場管理費を箇所ごとに算出する積算を求める。浚渫工(薄層)については、土厚区分ごとの能力係数見直しなどを呼び掛ける。当初工事粗利率が5%以下の低採算工事の具体例も示し、標準積算に寄りすぎない適切な対応を要請する。
このほか、港湾工事で働く女性技術者のトイレ問題解消、協力会社の賃上げや設備投資などを目的に現場管理費を増額する「諸経費検証モデル工事」の対象拡大、炭素排出の少ない「高炉セメントC種」指定のモデル工事実施なども提案する。
開催日程は次のとおり。
▽14日=関東(横浜市、ロイヤルホールヨコハマ)▽15日=四国(高松市、リーガホテルゼスト高松)▽21日=北海道(札幌市、ニューオータニイン札幌)▽28日=中部(名古屋市、KKRホテル名古屋)▽30日=近畿(神戸市、オリエンタルホテル神戸)▽31日=九州(福岡市、オリエンタルホテル福岡博多ステーション)▽11月6日=北陸(新潟市、新潟グランドホテル)▽12日=東北(仙台市、ホテルモントレ仙台)▽14日=中国(広島市、リーガロイヤルホテル広島)▽18日=沖縄(那覇市、ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城)。
会員企業が受注した工事のうち、24年度に完成または25年5月20日までに契約した国発注工事357件を対象としたアンケート結果によると、週休2日の取り組みは、ほぼ完遂と言えるレベルに達している。4週8閉所以上の工事は全体の95%を占め、元請け職員の4週8休以上の割合は99%に上った。
4週8休が定着する一方、約4分の1は「荒天日を休日」としており、そのうちの約半数が当日または前日に休日判断を下すなど、計画的な休日取得ができていない。埋浚協は「休日の質の向上に取り組む」とし、受発注間での休日取得方法の協議・合意の徹底などを働き掛ける。
コンクリート打設やクレーン作業など関連産業の上限規制対応による工期・コストへの影響を考慮した発注と、施工中の条件変更への柔軟な対応、24年8月から始まった「従業員給料手当等に関する試行工事」における現場支援部署(バックオフィスなど)の精算対象への追加なども提案する。
新たに追加したテーマ「現場の実態に合った適切な発注」は今年度の目玉。工期設定や契約変更事務に関するガイドラインの適正な運用をはじめ、荒天リスク精算型試行工事の拡大や休日確保評価型試行工事(工期指定)における工期短縮提案要求の原則禁止と、必要に応じた「S1型」の試行などを求める。
積算と施工実態の乖離問題を巡っては、海上コンクリート打設(自積・台船バケット方式)は、実際にはほとんど行われていないとし、品質・安全・施工性を重視したポンプ車によるコンクリート打設を標準積算とするよう要望する。また、コンクリートミキサー船の拘束日数は、設計と実施工に大きな乖離があると指摘し、積算基準で「0.3」となっている拘束発生率の改定を働き掛ける。埋浚協の調査によると、積算上の拘束発生率0.3に対して、単一工種で「3.75(設計の12.5倍)」、複数工種で「1.04(同3.47倍)」の乖離が見られた。
同一工事で施工箇所が複数存在する工事は、現場事務所や安全設備、施工管理要員などの費用が増加するものの、港湾土木請負工事積算基準には費用計上に関する記載がないという。施工箇所が点在・分散する工事では、共通仮設費と現場管理費を箇所ごとに算出する積算を求める。浚渫工(薄層)については、土厚区分ごとの能力係数見直しなどを呼び掛ける。当初工事粗利率が5%以下の低採算工事の具体例も示し、標準積算に寄りすぎない適切な対応を要請する。
このほか、港湾工事で働く女性技術者のトイレ問題解消、協力会社の賃上げや設備投資などを目的に現場管理費を増額する「諸経費検証モデル工事」の対象拡大、炭素排出の少ない「高炉セメントC種」指定のモデル工事実施なども提案する。
開催日程は次のとおり。
▽14日=関東(横浜市、ロイヤルホールヨコハマ)▽15日=四国(高松市、リーガホテルゼスト高松)▽21日=北海道(札幌市、ニューオータニイン札幌)▽28日=中部(名古屋市、KKRホテル名古屋)▽30日=近畿(神戸市、オリエンタルホテル神戸)▽31日=九州(福岡市、オリエンタルホテル福岡博多ステーション)▽11月6日=北陸(新潟市、新潟グランドホテル)▽12日=東北(仙台市、ホテルモントレ仙台)▽14日=中国(広島市、リーガロイヤルホテル広島)▽18日=沖縄(那覇市、ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城)。











