国交省が処分基準案/違反は勧告経ずに指示処分/改正建設業法 | 建設通信新聞Digital

12月22日 月曜日

行政

国交省が処分基準案/違反は勧告経ずに指示処分/改正建設業法

【著しく低い労務費・原価割れ契約・工期ダンピング】
 国土交通省は、改正建設業法の全面施行で運用が始まる新たなルールに違反した場合の処分基準案を固めた。著しく低い労務費による見積もり提出や見積もり変更依頼、受注者による原価割れ契約や工期ダンピングがあった場合、勧告を経ずに指示処分とし企業名を公表する。11月下旬に各都道府県に通知した上で、改正法施行日の12月12日に施行する。
 「建設業者の不正行為等に対する監督処分の基準」の改正案に対する一般への意見募集を10月31日から始めた。
 改正法の全面施行により、労務費の基準(標準労務費)を著しく下回る受注者の見積もり提出や、注文者の見積もり変更依頼が禁止となる。これまで注文者のみを対象としていた総価での原価割れ契約、著しく短い工期による契約を受注者にも禁じる。
 監督処分基準案では、これらの規定に違反した事業者に対し、指示処分を行うことを明記した。国交省は違反事業者に対し、処分内容の社内への周知徹底、法令順守に向けた研修・教育の計画作成とその実施、取り組み状況の報告など拘束力のある命令を下す。
 国交省の処分基準は大臣許可業者が対象で、都道府県知事許可業者に対する処分基準は各都道府県が定める。各都道府県は国を参考に処分基準を改正できる。
 注文者が著しく短い工期で契約を締結した場合、これまでは勧告をした上で従わない場合は指示処分としていた。改正法の全面施行により受注者にも同様の契約締結を禁じるなど建設業者に対する規制が強化されることを踏まえ、改正法の新たなルールに違反した場合は勧告を経ずに指示処分を行うこととした。
 改正法の全面施行に向けては、監督処分基準のほか、元下間、受発注間の建設業法令順守の各ガイドライン、社会保険加入の下請け指導ガイドラインも合わせて改正する予定だ。