風波・昔の映画を観ていると、舞台となった都市の風景自体が今のわれわれにとっては貴重な記録だと思うことがある… | 建設通信新聞Digital

12月1日 月曜日

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風波・昔の映画を観ていると、舞台となった都市の風景自体が今のわれわれにとっては貴重な記録だと思うことがある…

風波
 昔の映画を観ていると、舞台となった都市の風景自体が今のわれわれにとっては貴重な記録だと思うことがある◆その意味で、第78回カンヌ国際映画祭の監督週間に選出された団塚唯我監督の映画『見はらし世代』は、2020年代の東京・渋谷を切り取った作品として後年、評価されていくだろう◆劇中、「MIYASHITA PARK」や代官山ヒルサイドテラスなど渋谷を代表する建築物が登場するが、監督いわく、映画を見終わった後に平面図に作図できるような建築的な視点を意識して撮ったという◆地上に立った状態の目線(アイレベル)の画面が多いにもかかわらず、結果的に世界を上から見ているような浮遊した感覚を感じさせる。その浮遊感は街の移り変わりに適応しながら生活する私たちのありようにも似ている。