ピロティ形式を検討/清水中心市街地の津波対策/静岡市 新清水庁舎 | 建設通信新聞Digital

11月29日 土曜日

中部・北陸

ピロティ形式を検討/清水中心市街地の津波対策/静岡市 新清水庁舎

 静岡市は、清水中心市街地での津波対策の基本的考え方をまとめた。清水駅東口公園(元清水駅東口広場)に移転新築を検討する新清水庁舎を津波避難ビルとして機能させるため、構造方式はピロティ形式の採用を計画する。地下フロアを設けない階層構成とし、設備室は津波浸水被害を受けない位置に設ける方針を示した。
 清水区では、レベル1津波が発生した場合の死者数が約100人、レベル2津波の発生による死者数は約1万1000人と試算され、最重要課題となっている。
 同公園に清水庁舎を整備する場合は、2階の庁舎入り口をJR清水駅のペデストリアンデッキ路面と同じ高さとする。 ペデストリアンデッキは、レベル2津波の場合でも浸水想定の高さよりも上にあり、接続する清水さくら病院と一体となって避難者支援・復旧支援拠点として運営できる。
 移転新築案では、新庁舎の延べ床面積を1万8000㎡と想定した。使用期間は65年を設定し、同駅東口地区に都市機能を集約してまちの再生を推進する方針を示した。
 現在、民間活力導入や建築面積の削減などを検討しており、26年2月議会を経て基本計画を決める。
 清水庁舎は、清水市役所庁舎として1983年に竣工した。規模はSRC造地下2階地上9階建て延べ2万3345㎡。所在地は清水区旭町6-8。
 24年度に実施した日本建築センターの耐震評定委員会による第三者評価で、十分な耐震性能を確認できなかったことから施設更新を検討している。