足場の安全情報BIMで可視化/業界初、特設サイトに公開/仮設工業会 | 建設通信新聞Digital

2月4日 水曜日

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足場の安全情報BIMで可視化/業界初、特設サイトに公開/仮設工業会

手すり先行システム足場 8D BIM
特設サイト はこちら 
 仮設工業会(豊澤康男会長)は、足場の安全衛生情報を体系化した特設サイトを2日に公開した。3次元モデルに「安全」の概念を加えた「8D BIM」を提唱し、足場の部位ごとに想定されるリスクと、それに対応する法令・基準などの情報を「安全衛生情報デジタルパッケージ」として整理した。足場の安全情報をBIM上で可視化できるツールは業界初という。 欧米を中心に、BIMに時間軸(4D)、コスト(5D)、サステナビリティー(6D)、メンテナンス(7D)を加えた概念が広がっている。仮設工業会は、これに安全性を加えたものを「8D BIM」と名付け、足場の各危険部位に必要な安全衛生情報を体系的に表すモデルを提示した。
 特設サイトでは、足場の3Dモデル上の特定危険部位にひも付けた安全情報を閲覧できる。足場の「どこが危ないか(リスクポイント)」と「何を知るべきか(情報カテゴリー)」を掛け合わせた。リスクポイントとしては足場の脚部、壁つなぎ、最大積載荷重、墜落防止装置など、事故が起きやすい箇所や注意すべき部位を特定した。情報カテゴリーはLOD(詳細図)、仕様、法令、強度計算、組立・解体手順、災害事例、ヒヤリハット事例、グッジョブ事例の八つに分類した。
 国内の建設現場で主流となっている二大足場工法を対象に、膨大な説明アイテムを整理した。枠組み足場は16のリスクポイントに対して全128項目、手すり先行システム足場(くさび緊結式)は26のリスクポイントに全208項目の説明アイテムを用意した。3Dモデル上のピンを選択することで、当該箇所に関連する法令や災害事例などの情報を確認できる。
 「仮設8D BIM安全衛生情報デジタルパッケージ」は、ゼネコンやBIMオペレーターが足場モデルを作成する際に、付与すべき安全情報のガイドラインとして参照できる。現場のリスクアセスメントや作業手順書の作成時には、網羅的なチェックリストとして機能し、抜け漏れのない安全計画立案を支援する。
 また、経験の浅い技術者でも、どこにどのようなリスクがあり、どのような基準を守るべきかを直感的に学習・確認できる。部材数量などを入力すると、自動で強度計算を行う機能も付いている。
 今後は、新ヒヤリグッジョブ報告収集・分析アプリケーション「KATETOS(カテトス)」との連携を進める。カテトスを通じて報告されるヒヤリ・ハット事例やグッジョブ事例といった「生きたデータ」をBIM安全情報にフィードバックすることで、現場実態に即したより高度なリスク情報の提供を実現する。
 さらに、整理した3Dデータと安全情報をメタバースに拡張・展開することも検討している。現実空間とリンクしたデジタルツイン環境で、アバターを通じた臨場感のあるXR(仮想空間技術)安全教育や遠隔地からの安全パトロール、リスクポイントのシミュレーションなど、次世代の安全管理手法の確立を目指す。