【これからも根幹は「進取、協力、信頼」/復建調査設計80年の歩み/藤井社長と振り返る】
復建調査設計が創業80周年を迎えた。1946年の戦後から国土の復興を目指して広島で産声を上げ、 西日本を中心に一貫して社会資本整備の一翼を担い、80年の歴史とともに全国に活躍の場を広げていった。 創業以来の社是である「進取、協力、信頼」を基本に、企業理念として掲げる『未来社会創造企業』としてこれからも歩みを進める。 「創業者の松村恭二社長をはじめとする先人、 そして現在働いてくれている社員全員に感謝したい」 と現在の率直な気持ちを語る藤井照久社長に、 これまでの道のりを振り返ってもらうとともに、今後の展望について聞いた。
【転機乗り越え現在に/公共投資拡大、空港埋立て、業務提携・M&Aなど奏功】
--創業から現在に至るまでにターニングポイントとなった出来事は
「1980年代後半から90年代のバブル前後の日米構造協議による公共投資の拡大が一つ目の転換期となった。地元広島でも広島大学の移転をはじめ、五日市地区の埋め立て事業などビッグプロジェクトが相次ぎ、われわれも地質調査中心から上下水道、計画、環境、防災などの新しい事業分野に展開していった。そして、関西国際空港、羽田空港の埋め立て事業に参画できたことが技術的な飛躍のきっかけとなった。バブル崩壊や東日本大震災の影響で売り上げが大幅に落ち込む厳しい時期も経験したが、先人たちが築いた『利益三分法』による経営で困難な時代を乗り越えた。もう一つの転換期として、アジア航測との業務提携や日本構造橋梁、第一復建などとのM&A(企業の合併・買収)によるグループ会社の拡充など、成長への投資が奏功した」
「私自身は、阪神・淡路大震災と東日本大震災の2度の大震災を経験し、被災地の水産関係構造物や港湾関係構造物の調査に携わった。特に印象に残った仕事は、2000年ごろから約20年間携わった羽田空港の耐震化事業だ。飛行機の運航を継続しながら夜間に滑走路下の地盤の対策工事を行う困難なプロジェクトだった。液状化対策の試験施工は静的圧入締め固めや薬液注入など10種類もの工法を比較検討するとともに、北海道で爆破実験による人工的な液状化試験も行った。当時の思い出は今も心に刻まれている」
--組織運営で大切にしていることは
「社是である『進取、協力、信頼』が常に経営の根幹にある。信頼なくして協力は生まれない、協力なくして新しいことにも取り組めない。仲間との信頼関係を最も大切にし、一人ではなくチーム全体で取り組む姿勢を重視している。特に社員の発想や提案は否定せず、できる限り拾い上げて検討する。今は研究開発や技術開発だけでなく、AI(人工知能)、DX(デジタルトランスフォーメーション)などにもチャレンジしており、それを積極的に支援していきたい」
--今後の展望は
「今年は第14次中期経営計画のスタートであり、今後3カ年が長期ビジョン2030の集大成でもある。前中計からの既存技術の深掘りや新たな領域への挑戦、働きやすい職場づくりを継続していく。特にアセットマネジメントやDX、AIの活用、官民連携などに注力したい。また、GX(グリーントランスフォーメーション)への取り組みやオープンイノベーション推進室によるスタートアップ(新興企業)などとの連携にもしっかり投資していく。中長期的にはコンサルタント業界が大きく変化することが予想される。AIの普及により単純作業が自動化される一方、思考を要する業務や住民との関わり、技術経験が必要な業務に特化されることなども考えながら、次の長期ビジョンに反映していきたい」
--90年、100年に向け、社員、未来を担う若手にメッセージを
「現役社員が主役となり、会社を支えていくという自覚を持ち、自分の会社と仕事に誇りを持ってチャレンジしてほしい。将来入社してくる若い人たちには、社会課題を解決していくことにワクワクしながらこの仕事に取り組んでもらいたい。この会社で働いて良かったと思えるような会社にしていくことが大事であり、社員を教育するだけでなく、共に育っていける組織を目指していきたい」
