清水建設は、これまで土壌洗浄による処理が困難とされてきた粘性土主体の有機フッ素化合物(PFAS)汚染土壌の浄化技術を確立した。室内試験では、土壌中のPFAS含有量の98%以上を除去するとともに、浄化土として95%以上を回収することに成功した。今後は米国テキサス州に小規模プラントを設置し、9月からプラントスケールでの技術実証に取り組む。
PFASは、水や油をはじく撥水性・撥油性や耐熱性、耐腐食性に優れることから、 防水服や食品包装材、化粧品、泡消火剤など幅広い製品に使用されてきた。 一方で自然界ではほとんど分解されず、 環境中への残留性や生態系への影響が懸念されている。このため近年は世界的に製造・使用規制が強化されている。
同社が開発した浄化技術は、泡に吸着するPFASの特性を利用した土壌洗浄技術となる。まず解泥機を使って汚染土壌に水を加えながら攪拌し、粘性土をスラリー(泥水)状にほぐして細かく分散させる。これにより土壌に付着したPFASを効率的に水中へ移行させる。その上で、下部から供給した泡にPFASを吸着・濃縮させて回収する「泡浮上分離」を組み合わせることで、高効率な浄化を実現した。
土壌洗浄は一般に砂質土主体の汚染土壌を対象とする技術で、粒径63マイクロm未満の粘性土主体のPFAS汚染土壌への適用は難しいとされてきた。このため従来は焼却処理が主流だったが、処理費用が高額になることが課題となっていた。
同技術により汚染現場での場内処理が可能になれば、粘性土主体のPFAS汚染土壌を低コストで浄化できるほか、土壌搬出や運搬に伴うCO2排出量の削減など環境負荷の低減も期待できる。
今後はプラントスケールで処理性能を検証するとともに、規制対応が先行する米国市場で実績を積み重ね、日本国内での規制強化も見据えた事業展開につなげていく考えだ。
