鹿島とタカムラ建設は、製造過程のCO2排出量が実質ゼロ以下となるカーボンネガティブコンクリートを活用した「CUCO-SUICOMハーフプレキャスト(PCa)床版」を開発した。普通異形鉄筋を活用した建築構造部材として国内で初めて、新築工事の一部に適用した。
ハーフPCa床版は、工場で製造した鉄筋コンクリートの部材を現場に敷き並べ、その上にコンクリートを打設して床に仕上げる工法で、現場の省力化や工期短縮の観点から広く普及している。今回開発の床版は、厚さが約70mmと薄く、運搬や作業の効率が高い。加えて表面積が大きいためCO2を吸収・固定しやすい。
新床版は、鹿島の低炭素コンクリート技術と、同社のCO2を吸収・固定するコンクリート「CO2-SUICOM(スイコム)」の技術を組み合わせて開発した。従来のハーフPCa床版に比べ、低炭素コンクリートの利用で1m3当たり約245㎞のCO2を削減、さらに約88㎞を吸収・固定してカーボンネガティブを達成した。
CO2スイコムは、セメントの半分以上を特殊な混和材や産業副産物に置き換えて製造時のCO2を削減するとともに、製造段階でCO2を吹き込む「炭酸化養生」により、固まる過程で大量のCO2を吸収・固定する。ただ、鉄筋コンクリートに利用すると鉄筋の耐久性に課題が生じ、これまで用途は小型のプレキャストブロックなどに限られていた。
今回の開発では、実験を通して建築物内部であれば通常の鉄筋コンクリート部材と同等の耐久性を持つことを証明し、第三者認証機関から建設材料技術性能証明を取得した。
新床版を鹿島が施工中のコマツ新本社新築工事(東京都港区)の一部に適用した。その結果、CO2を約2848㎞削減し、約754㎞を固定することができた。
今回の開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発」プロジェクトの一環で共同実施先のタカムラ建設と実施した。同プロジェクトでは、鹿島がデンカ、竹中工務店とコンソーシアム「CUCO(クーコ)」を組織して取り組みを進めている。
