
北九州市は、JR小倉駅と黒崎駅周辺への民間投資を呼び込む「次世代まちづくり・投資戦略(たたき台)」をまとめた。市制80周年を迎える2043年までに、両駅から半径1キロ圏で約1兆円の民間投資を目指す。重点プロジェクト候補には、築55年を迎え老朽化が進む市本庁舎(RC造地下3階地上15階建て延べ約4万3000平方メートル)の建て替えや、ワールドクラスホテルの誘致、旧クロサキメイト跡地の再生などを盛り込んだ。
戦略では▽フィジカルAI(人工知能)▽エンタメ・カルチャー▽アーバンネイチャー――の3分野を柱に、滞在価値や暮らしの質を高めるまちづくりと、ロボット技術などを生かしたフィジカルAIエコシステムの形成を目指す。投資効果を市内全域に波及させるため、小さな街区や多数の地権者など開発の妨げとなる四つのボトルネック解消に取り組む。
戦略の実行に当たり、小倉・黒崎両駅周辺を対象に「民間投資促進パッケージ」を創設する。規制緩和や特区制度の活用、税制・財政措置、公有地の有効活用、民間開発と連動した公共インフラ整備などを盛り込み、民間設備投資やエリア価値の向上につながる事業を対象に行政が伴走支援する。
小倉エリアでは、駅前広場の再編や平和通りの車線減少といった公共事業と、ワールドクラスホテルの誘致などの民間開発を同時に進める。特区制度を活用した公道利用条件の緩和や平和通り沿いを中心とした次世代オフィスの建て替え支援を通じ、フィジカルAI技術の実装を一体的に後押しする。
黒崎エリアでは、旧クロサキメイト跡地の再生を重点プロジェクトに位置付ける。投資促進プロジェクトチームが課題の整理や安全対策を進めるとともに、最先端のフィジカルAI研究施設やスマートオフィスの創出を支援する。
ボトルネック解消策としては、強力な規制緩和や開発用地の創出を掲げる。道路再編による大街区化や高度利用を進めて都市構造の転換を図り、43年までに市内各地に投資効果と活力を波及させる。
戦略は、市が8、9月に設置を予定している「(仮称)次世代まちづくり構想会議」で議論を深める。有識者や民間事業者、市民へのアンケート・ヒアリング結果を戦略に反映し、26年度中の策定を目指す。
