建設産業専門団体連合会(岩田正吾会長)と国土交通省との意見交換会が30日、東京都新宿区のホテルグランドヒル市ヶ谷で開かれた=写真。改正建設業法の全面施行で運用が始まった労務費の基準(標準労務費)について、岩田会長は現場レベルにまだ十分に浸透していないと指摘。依然としてダンピング(過度な安値受注)があるとし、「標準労務費が絵に描いた餅とならないよう、指導ではなく是正勧告や企業名公表に踏み切るべきだ」と訴えた。
議題は▽標準労務費の実効性確保▽猛暑日の作業回避のための休工▽建設キャリアアップシステム(CCUS)カードリーダー設置の促進--の三つ。
岩田会長は開会に当たり「標準労務費が施行されたが、閑散期のためダンピングが起きている。元請け担当者のマインドが変化していない現れだ」と強調。「これでは処遇改善を進めた企業から潰れる。価格から質の競争への流れをつくっていただきたい」と呼び掛けた。
楠田幹人不動産・建設経済局長は個別の議題に触れながら「重要な課題が山積している。個別課題の検討とともに全体を俯瞰(ふかん)した検討も進め、的確に対応する」と述べた。
建専連は標準労務費の実効性確保に向け、元下間の契約・見積もりでの適正な反映や標準見積書の活用を促す周知・啓発を求めた。建設Gメンによる監督・指導の強化も要望し、労務費の適正支払いに向けて特に元請けに対する働き掛けを訴えた。
国交省も現場レベルへの周知が課題との認識を示し、現場向けの広報などを通じ「草の根的に周知を図る」と応じた。また、労務費の行き渡りを調べる追跡調査を通じて元請けも含めた支払いの実態を把握し、制度の実効性を高める考えを示した。
猛暑期間の作業回避のため、建専連は直轄工事で試行する夏季休工を土木だけでなく建築にも拡大するとともに業界全体に取り組みを広げるための環境整備を求めた。
国交省は夏季休工の試行を全国の直轄土木工事20件で実施していると報告。休工の効果や工期への影響などを検証し、地方自治体や民間発注者にも周知するとした。
カードリーダーの設置について、建専連は会員団体加盟企業の調査結果から地方で遅れが見られるとし、レベル別年収の賃金支払いに向け民間工事も含めた全現場での設置を要請した。
国交省は都市局所管の補助金を活用する工事でCCUSを積極的に利用するよう自治体に周知したことを紹介。公共、民間工事での設置に向けて引き続き取り組むとした。
