建設産業専門団体連合会(建専連、岩田正吾会長)と同九州地区連合会(宮村博良会長)は13日、福岡市の八仙閣で九州地方整備局(垣下禎裕局長)との意見交換会を開き、「労務費の基準」の実効性確保と夏季休工をテーマに討議した=写真。双方は、技能に見合った処遇の実現に向けて標準労務費や標準見積書の活用を徹底し、適正な労務費を現場の末端まで行き渡らせる必要性を確認した。
標準労務費については、元下間の契約や見積もりを適正に反映し、改訂された標準見積書を現場へ着実に定着させることが課題となる。九州建専連の中村隆元副会長は、大手ゼネコンと地場ゼネコンの現場では、とび職の労務単価に1万円以上の格差が生じており、専門工事業者の処遇改善や働き方改革を阻害する要因になっていると訴えた。
九州建専連の所属団体からは、標準見積書の提出が進む一方で、元請け企業が自社の予算内に契約金額を合わせるため、歩掛かりを意図的に少なく設定する新たな“ダンピング(過度な安値受注)手法”が横行しているとの指摘があった。法定福利費や安全対策費を含む「雇用にかかる経費」は、本来、競争の対象外とすべきだが、削減対象となる事例が後を絶たないとした。
岩田会長は、標準労務費の実効性確保に向け「設計労務単価の見積書への明記」と、「雇用にかかる経費の確保」の2点を強調。職人の処遇を削って利益を上げる不適切な取引慣行を念頭に、「職人の懐に手を入れて利益を上げる企業には、そろそろ退場してもらわなければならない」と力強く訴えた。
同局は、説明会や市町村キャラバンを通じて標準労務費の趣旨や適正な労務費の確保について周知を進めていると説明。建設Gメンにも触れ「今後も見積もり手続きを重視し、適正取引に向けた監督・指導を徹底する」と応じた。
一方、夏季休工を巡っては、日本型枠工事業協会九州支部の堀之内広高支部長が2、3週間程度の休暇を確保できる工期の柔軟な運用や、休業補償制度の整備、休工を促す明確な基準の設定を要望した。
日本塗装工業会九州ブロックの宮嵜香副会長は、夏休みに工事が集中する学校施設の改修工事の厳しい就労環境に触れ、歩掛かりの割増しや安全健康管理対策費、必要経費の積み増しを検討するよう求めた。
これに対し同局は、26年度から全ての特記仕様書に猛暑時の施工回避に関する協議事項を明記したほか、直轄工事で猛暑期間中の休工を認める試行工事を1件発注したと説明。「27年度はさらに対象を拡大したい」と前向きに応じ、労働環境改善の取り組みを着実に拡充する考えを示した。
