奥村組は、全ての協力会社に対する工事代金などの支払いで、手形払い(債務引受方式を含む)を廃止し、支払条件を「全額現金払い」に変更する。これに伴って増加する運転資金に充当するため、同社初となるソーシャルボンドを発行する。この支払い条件変更を資金使途とするソーシャルボンドの発行は国内初となる。現金払いへの転換を社会的課題の解決につながる取り組みと位置付け、国際的な原則への適合性について第三者評価を取得した。
ソーシャルボンドの発行に当たり、国際資本市場協会(ICMA)が定めるソーシャルボンド原則などに基づき、▽調達資金の使途▽プロジェクトの評価・選定プロセス▽調達資金の管理▽レポーティング方針--などを定めたソーシャルファイナンス・フレームワークを策定。同フレームワークについて、日本格付研究所からソーシャルボンド原則などへの適合性に関する外部評価(セカンドオピニオン)を取得した。
取り組みを通じて協力会社の資金繰りを改善し、経営の安定化を図ることで、 より安定的なパートナーシップを構築するとともに、 サプライチェーン全体の関係強化を推進する。 協力会社による雇用創出などにつなげる考えだ。
発行時期は10月、発行年限は3年、発行総額は100億円を予定している。主幹事証券会社は大和証券、野村證券、SMBC日興証券、ストラクチャリング・エージェントは大和証券。
奥村組は、手形払いについて発行基準額1000万円以上、手形期間60日、保留金について契約工事完了まで出来高の10%としていたが、これらを廃止する。9月請求分(10月15日支払い)から全額現金払いへ移行する。
同社担当者は「建設業の商慣習の改善を資金調達の面から後押しできれば」と話している。
