
全国建設業協会(今井雅則会長)は14日、47都道府県建設業協会の会員3781社から回答を得た「2026年度労働環境の整備に関するアンケート」の結果を発表した。調査結果のうち、時間外労働の状況によると、月当たりの平均残業時間は「15時間以下」が全体の約7割を占め、時間外労働の上限規制に抵触する恐れのある46時間以上はほぼ皆無だった。
調査は6月1日現在の状況について、6月から7月にかけて実施した。今年は回答数がほぼ倍増し、小規模な企業からの回答が大幅に増えたため、前年度結果との単純比較は難しいという。10月に全国9地区で開く地域懇談会・ブロック会議の参考資料としても生かす。
月当たり残業時間は、現場全体では「15時間以下」が68・2%と最も多く、次いで「16時間以上30時間以下」が24・1%、「31時間以上45時間以下」が6・7%となった。最多層の15時間以下は、20年度調査から15・3ポイントの増加となっており、この間の上限規制適用も相まって、時間外労働の縮減は継続的に進展している。
職種別に見ると、技術者は全体平均と同様の傾向で、「15時間以下」が63・4%、「16時間以上30時間以下」が26・5%、「31時間以上45時間以下」が8・6%などとなっている。技能者はさらに残業時間が少なく、「15時間以下」が81・2%、「16時間以上30時間以下」が14・2%などとなった。このほか、内勤の事務所職員は、9割超が15時間以下となっている。
建設現場における労働時間短縮のための取り組みは、週休2日モデル工事の受注が最多で、次いで経営トップの声掛け、休日出勤の禁止・抑制、ICTの導入、書類の簡素化、統一土曜閉所運動への参加、ノー残業デーの導入などが続く。特に、モデル工事や閉所運動などは、取り組みの効果が高いと感じられている。
一方、全社的な労働時間の削減によって、人手不足感が増しているとの意見は多く、工期が圧迫されているとの感想も少なくない。賃金・収入の減少や人員増によるコストアップ、技術継承・人材育成の困難さなどを課題とする見方もある。長時間労働や休日出勤を前提としない、若者に選ばれる就労環境に合致した工期や費用の当初からの設定が求められている。
