
2026年度日本建築学会大会(中国)の最終日となる11日、全国建築系大学教育連絡協議会(全建協)は「建築士法改正の動きとあるべき建築教育―建築士受験資格の変更と教育界への影響について―」と題した緊急意見交換会を開催した。全建協が実施したアンケートでは、「在学中の学生に受験資格を認める制度改正」について大学、高等専門学校、専門学校の教員などを対象に賛否を問うた結果、回答があった154人中「反対」は103人、「条件付きで反対」は19人となり、全体の79%が反対の立場を取った。
アンケートは教育現場の実情や懸念を明らかにし、制度設計上の課題を把握する目的で実施した。
在学中の受験を巡っては、約8割が反対票を投じたのに対し、「条件付きで賛成」が10人、「賛成」が9人の計19人となり、賛成票を投じたのは12%にとどまった。「どちらともいえない」は13人だった。
反対票の理由は、卒業研究への影響や予備校化、教養の低下への懸念に集中しており、地方大学でも75%が反対に回った。
一方、アンケートでは制度設計への具体的提案も多数寄せられた。「卒業研究・設計の履修時期への配慮」に最も票が集まり、次点に「科目別の受験・合格制度の導入」「大学教育と試験制度の役割分担の明確化」が同数で並んだ。
意見交換会に参加した日本建築士会連合会の古谷誠章会長は、1級建築士資格の取得が困難となっている背景として「年数要件によって教育と試験が不連続となり、資格学校に依存する体質が出来上がっていたためではないか」とした上で、「大学でさまざまな影響が出ることは避けられないが、これを機に教育が資格試験科目に接続する在り方を、科目試験の改革とセットで検討する必要があるのではないか」との見解を示した。
小野田泰明会長は法改正の一定の妥当性を評価した上で、「実装まで残された時間は非常に少なく、こうした難しい環境にあるという状況を共有できたこと自体は非常に意義深い。問題意識が強い人だけでなく、より広い範囲で、それぞれの立場に立った多様な意見をぜひ聞かせてほしい」と述べた。
