
東京都足立区は、活用方針を検討している旧北鹿浜小学校跡地について、東京大学から活用の申し出があったことを明らかにした。同大学は宇宙資源・月面開発の国際実証拠点の整備を計画しており、実現すれば世界で4拠点目となる。区は同大学との協議を進め、事業の見通しが立ち次第、包括連携協定などの締結に進む。これに伴い、2026年度中に予定していた事業者公募は準備を一時休止する方針も示した。
区議会総務委員会で報告された内容によると、3日に同大学から申し出があった。拠点名は「(仮称)東大・足立区 月面基地地上実証キャンパス」。同大学の技術開発課題「月面開発のための宇宙資源開発拠点」は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に設置された「宇宙戦略基金」に採択されており、国家的重要プロジェクトとして進める。
同大学大学院工学系研究科教授と宇宙資源連携研究機構長を兼務する宮本英昭氏が責任者を務める。既存校舎、体育館、グラウンドなどを活用し、宇宙資源や月面環境の探査機器、ロボットなどに関する研究・開発・実証を一体的に行う。同大学がJAXAに供給している模擬土壌などを利用し、月面に近い環境で実験などを行う。
拠点整備の計画地は、鹿浜5ー27ー1にある敷地約1万0275平方メートル。用途は第一種住居地域で、建ぺい率60%、容積率200%。主な建物は、校舎棟(RC造3階建て延べ4914平方メートル)と体育館棟(S一部RC造平屋建て601平方メートル)がある。
同大学は、文京区の本郷キャンパスや茨城県つくば市などの研究施設を活用しているが、大型の実験や実証に必要なスペースが不足していた。東京都区部に立地し利便性が高いことに加え、本郷キャンパスにも近く、広大なグラウンドなどを活用できる同跡地に白羽の矢が立った。
事業期間は、「宇宙戦略基金」の研究支援期間を踏まえ、7年間の使用を想定し、期間延長も視野に入れる。同大学は、研究設備の整備に資金を集中させるために、区が土地と建物を所有し、大学が借り受けるスキームを希望している。事業実現に向け、これらの費用負担などの実現性や活用方法を両者で協議する見込みだ。
