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【安全に効率良く殺菌作業】大林道路が導入した完全自律走行型UVDロボットの実力とは?

最終更新 | 2020/07/17 11:55

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 新型コロナウイルス感染症の流行の中、建設業界でも感染防止対策は必要不可欠な課題だ。大林道路は、大林組・東亜建設工業・鉄建建設JVの大熊5工区貯蔵JV工事事務所(福島県浪江町)から受託した事務所内の殺菌業務に、デンマーク製の完全自律走行型UVDロボットを導入している。海外の病院などでは既に多数の導入実績があるが、国内の建設業界では初めて導入された同ロボットを取材した。

殺菌作業中のUVDロボット

◆中間貯蔵大熊5工区事務所で運用
 完全自律走行型UVDロボットは、デンマークのオーデンセ大学病院とUVD Robots社が2016年に共同開発し、17年からUVD Robots社が製造販売している。アプリによるプログラミングで移動しながら殺菌効果の強い深紫外線UV-Cを照射し、所定の空間の殺菌作業を効率的で安全に実施することができる。

 大林道路は、以前から技術開発などで協力関係にあったカンタム・ウシカタ(横浜市、久保至社長)を通じて同ロボットを導入し、5月から週1回、大熊5工区貯蔵JV工事事務所の殺菌業務に当たっている。

 同事務所は、東日本大震災による原発事故後の除染作業で発生した放射性物質を含む土壌や廃棄物の仮置き場からの搬出と大熊町内に建設する土壌貯蔵施設への搬入・埋め立て、またその施設を設計施工する「平成30年度中間貯蔵(大熊5工区)土壌貯蔵施設等工事」の事務所だ。

左から馬場智靖大林道路理事東北支店工事部長、上田総合事務所所長、辻幸志大熊5工区貯蔵JV工事事務所所長


 同工事には毎日約800人が従事しており、また同事務所に限定しても50人前後が日々出入りしている。ここでは、従来からマスクの着用や手洗い・アルコール殺菌の励行など感染防止対策を実施していたが、さらなる衛生環境向上のための手段を模索する中で、大林道路からUVDロボットによる殺菌を提案され、採用に至った。

 同工事と「平成29年度中間貯蔵(大熊3工区)土壌貯蔵施設等工事」「令和2・3・4・5年度飯舘村長泥地区環境再生事業盛土等工事」を統轄する大林組福島復興総合工事事務所の上田明生所長は、「復興作業はまだ半ばにある。もしわれわれがウイルスに感染することがあれば工事の停滞につながり、また地域医療にも負担をかけてしまう。そこで、一層の感染防止策を模索していたところ、大林道路から提案を受けUVDロボットの導入に至った」と経緯を説明する。

 UVDロボットは、搭載されたSLAM(レーザーセンサーなどで取得した周辺環境の情報から、自己位置の推定と地図を作成する技術)で施設の間取りを把握し、障害物を感知しながら設定されたとおりに自動走行し、殺菌作業を実施する。

 殺菌作業に使うUV-Cは人体に直接浴びると害がある。そのため、自動走行機能のない手動タイプの機材の場合は、照射のたびに作業員が待避してからUVライトを点灯して殺菌効果を発揮するまで待ち、その個所での照射が終わってから次の個所へ移動させるという作業を繰り返すことになる。一方で、UVDロボットはプログラムしたとおりに自動で移動と殺菌を繰り返すため、手動の装置と比較して時間や手間を圧倒的に削減できることが特徴となっている。

 安全に作業を実施するための対策は複数設けられており、起動前には操作用のタブレット端末からチェックリストに記入する必要があるほか、殺菌中の部屋の入り口に操作用のタブレットを設置し、振動を感知すれば作業を中止する機能も備えている。

開始時には複数のチェック項目を入力し安全を確認

作業が終わると扉に取り付けた タブレット端末に通知される


 今回の導入現場では、既存の事務所で通路が狭い部分があるため一部は手動で移動させる必要があるが、初めから同ロボットの運用を想定して十分な通路を確保しておけば、作業開始から完了まで放置しておくことも可能だ。

 今後は、「平成30年度中間貯蔵(大熊5工区)土壌貯蔵施設等工事」の他の拠点でも運用することを目指し、輸送手段などを検討していく。

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