
われわれにとってはなじみ深いが、一般には聞き慣れないワードだっただろう。公共団体などが競争入札によらず任意で決定した相手と契約を結ぶ「随意契約」が、令和のコメ騒動によって連日メディアで取り上げられている◆くだんの備蓄米は当初、競争入札により高値を付けた事業者に払い下げられていた。税金で購入した備蓄米は国民の財産であり、少しでも高く売るという会計法令の原則的思想がそうさせた◆だが、今回の目的はコメの市場価格を下げることにあり、競争入札が手法として最適でないことは論をまたない◆品確法はあるものの公共工事では逆に少しでも安くが原理思想。透明性の観点などから競争入札をなくすことは現実的ではないが、国家的プロジェクトなど特別な目的がある案件は柔軟に対応すべきだろう。