
夢の素材。安価なのに高強度で、熱や摩擦、薬品にも強い。高度成長期に多くの建物に使用された。それが裏目となり、多数の健康被害を出しているのが石綿だ◆含有建材が残る建物は数知れず。故に改修や解体工事時の石綿調査は段階的に厳格化されてきた。除去需要も年々増している◆先日関西で、除去作業中の一酸化炭素中毒が起きた。報道によれば、発電機が使用されていたという。同様の事故は最近、都内でもあった◆作業では区画をシートで密閉し、防護服やゴーグル、専用マスクを付けて行う。動きづらい上、視界は悪く、蒸し暑い。仮に、過酷な環境下で“魔が差した”ように手順を誤ったのであれば、計画ミスより問題は深刻だ。同じことがどこの現場でも起こり得る。早急な原因究明と再発防止策の周知が求められる。