官民で労務費確保へ/重点課題に位置付け/CCUS処遇改善協 | 建設通信新聞Digital

6月14日 土曜日

行政

官民で労務費確保へ/重点課題に位置付け/CCUS処遇改善協

 国土交通省は12日、産官学で構成する建設キャリアアップシステム(CCUS)処遇改善推進協議会の2025年度初会合を開き、担い手確保に向けて取り組む重点課題を共有した。改正建設業法の全面施行が控えることを念頭に、適正な労務費の確保と支払いなどを重点課題に位置付け、労務費の基準(標準労務費)の実効性確保といった取り組みを官民一体で進めることを確認した。 開会に当たり、平田研不動産・建設経済局長は「建設業が持続的な産業となるためには、働く方の処遇を改善して担い手を確保することが重要だ。そのためには賃上げをはじめ処遇改善が必要となる。賃金の原資となる労務費、雇用に伴う必要経費が一体で技能者を雇用する企業にまで確保されなければならない」と述べた=写真。
 協議会は学識者、建設業団体、建設業関係団体、発注者団体、行政機関で構成し、CCUSの活用を通じて技能者の処遇改善に連携して取り組む。重点課題は時勢に即して毎年度改訂しており、25年度は▽CCUSの利用拡大▽一人親方対策の推進▽建設業退職金共済制度(建退共)の電子申請方式やCCUSとの連携の利用促進▽賃上げの推進、労務費や法定福利費などの必要経費の確保・支払い--の四つを定めた。
 改正法の趣旨を踏まえ、適正な労務費と賃金の確保に向けた取り組みとともに、建退共掛金や法定福利費など必要経費の確保徹底に向けた取り組みの推進を新たに盛り込んだ。
 労務費の確保に向けては、標準労務費の実効性を確保する取り組みを官民一体で進める。必要経費の適正支払いや、内訳明示した見積もりの徹底を改正法に基づく取り組みとして一層推進する。
 併せて、必要経費の適正な支払いに注力する。法定福利費など必要経費を内訳明示した見積書の提出や支払いについて実態を把握しながら受発注者間で適正に確保されるように取り組む。標準労務費の運用を通じ、適正な労務費の支払いを徹底していく。
 27年度から始まる育成就労制度を見据え、外国人材の育成や処遇改善に向けたCCUSの活用方策を検討する。一人親方対策では、適正な請負契約かどうかを判断するチェックリストの活用を促す。建退共の電子申請方式の積極活用にも取り組んでいく。