清水建設は、建設産業全体の技術力の底上げを目的に、自社が保有する建設関連特許200件超を社外に開放し、低額の費用で実施許諾を付与する取り組みを開始した。対象となる特許技術は、1日からコーポレートサイト上で公開しており、想定されるライセンシーの事業形態別に分類の上、各特許の内容や年間実施料などの条件を明示している。業界内での特許技術の相互利用を促し、重複する技術開発投資を抑制することで、効率的かつ先進的な技術開発を加速させる。 建設業界で200件超の特許を一挙に開放し、その情報を自社サイト上で体系的に公開する取り組みは極めて異例となる。同社は年間約300件の特許を出願しており、現在の保有件数は2000件を超える。今後は開放対象を段階的に拡大し、最終的には保有特許の約半数の開放を目指す方針も示す。
従来、建設業界では受注競争戦略の一環として、各社が独自に建設技術の開発を進め、成果を競い合ってきた。その結果、同種技術への投資が重複し、産業全体としては非効率な状況に陥っていた。今回の取り組みにより、業界全体で開発リソースを有効活用し、生産性の向上と持続的な発展につなげる狙いがある。
同社の藥師寺圭知的財産部長は今回の取り組みについて、「建設業界では今までは他社の技術を使うことに積極的に取り組んでいなかった。これからは建設業界においても技術開発の共創と競争が重要であり、今回の取り組みが業界内での技術相互利用の活性化への起爆剤になってほしい」と述べた。
◆識者の見方/工業所有権情報・研修館(INPIT)知財戦略部長/田村佳孝氏
「今回の清水建設の動きは特許のオープン戦略に関するものと考えられる。独占されている特許技術が業界内で開放されることで、業界他社は特許を回避するための技術開発を抑制することができ、特許技術の普及による業界全体の技術力の向上や特許技術を基にした新たな技術の創出など、業界全体の発展も期待される」
従来、建設業界では受注競争戦略の一環として、各社が独自に建設技術の開発を進め、成果を競い合ってきた。その結果、同種技術への投資が重複し、産業全体としては非効率な状況に陥っていた。今回の取り組みにより、業界全体で開発リソースを有効活用し、生産性の向上と持続的な発展につなげる狙いがある。
同社の藥師寺圭知的財産部長は今回の取り組みについて、「建設業界では今までは他社の技術を使うことに積極的に取り組んでいなかった。これからは建設業界においても技術開発の共創と競争が重要であり、今回の取り組みが業界内での技術相互利用の活性化への起爆剤になってほしい」と述べた。
◆識者の見方/工業所有権情報・研修館(INPIT)知財戦略部長/田村佳孝氏
「今回の清水建設の動きは特許のオープン戦略に関するものと考えられる。独占されている特許技術が業界内で開放されることで、業界他社は特許を回避するための技術開発を抑制することができ、特許技術の普及による業界全体の技術力の向上や特許技術を基にした新たな技術の創出など、業界全体の発展も期待される」