総額12%増の5543億円/過去10年で最高/中央省庁の26年度営繕計画額 | 建設通信新聞Digital

8月25日 月曜日

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総額12%増の5543億円/過去10年で最高/中央省庁の26年度営繕計画額

営繕計画実施のための所要経費
 国土交通省が20日に公表した2026年度の中央省庁営繕計画書に対する意見書によると、官庁施設整備に要する経費の総額は前年度比11.9%増の5543億円となった。5000億円を上回ったのは過去10年で初めて。資材価格の高騰や労務費の上昇による工事費の増加が背景にある。 意見書は官公法に基づく制度。中央省庁の営繕計画書に対し、国交省が技術的な見地から意見をまとめ、各省庁と財務省に送付している。各省庁は意見書を踏まえ、来年度予算の概算要求に施設整備費を反映する。各事業の緊急度判定などを盛り込んだ個別意見は9月上旬に公表する。
 26年度計画額のうち、新営などは23.2%増の2876億円、改修などは1.9%増の2667億円だった。計画額は近年、増加傾向で推移している。
 省庁別に見ると、計画額が最も多いのは施設強靱化を進めている防衛省で36.3%増の2162億円。次いで国交省が37.2%増の895億円、法務省が17.5%減の828億円などとなった。
 合計件数は5599件で、内訳は新営などが20.6%増の671件、改修などが2.0%増の4928件。件数と比べ計画額の伸び幅が大きく、資材や人件費の高騰を背景に必要経費が増えている実態が浮かび上がる。
 意見書では、改正公共工事品質確保促進法に基づく運用指針を踏まえ、官庁施設整備の適正工期設定のため、猛暑日を含む天候を考慮するよう新たに求めた。環境負荷低減に向けて、ライフサイクルカーボンの削減に取り組む重要性も強調した。
 官庁施設の老朽化の現況もまとめた。3月時点の官庁施設数は計1万2590施設(総延べ4939万㎡)で築後30年以上が経過した施設は延べ床面積ベースで57.2%に上った。このうち、30年以上40年未満は19.4%、40年以上50年未満は14.2%、50年以上は23.6%となっている。