12月までに全面施行する改正建設業法で運用が始まる労務費の基準(標準労務費)を解説する国土交通省の説明会が20日、東京都港区の三田共用会議所で開かれた=写真。技能者の処遇を改善し建設業を持続可能にするため、労務費を内訳明示した見積もりなど新たな商習慣を定着させる必要性を訴えた。発注者を対象としたパートで国交省の担当者は「持続的、安定的に発注できる環境をつくることは発注者の利益にもつながる。“安ければいい”ではなくパートナーシップを持ち労務費をしっかり払ってほしい」と呼び掛けた。
説明会では標準労務費の作成方針や実効性確保策など最新の検討状況を中心に解説。発注者、建設業者それぞれを対象に9月26日まで全国10会場で開く。東京会場は初弾となった19日の大阪会場に続く2回目となる。
標準労務費は中央建設業審議会が作成・勧告する。公共工事設計労務単価に直轄工事の歩掛かりを乗じて算出することを基本とし、基準を著しく下回る見積もりや契約締結を禁止する。労務費を削る価格競争を防ぎ、技能者に適正な賃金が行き渡るようにすることで担い手の確保につなげる。
説明会で国交省の担当者は「基準を作れば技能者の処遇が直ちに改善するものではない。基準設定とともに実効性確保策を講じることで新たな商習慣を定着させたい」と述べた。その上で、建設業者には技能者の賃金の原資となる労務費を競争の対象としないこと、発注者に対しては建設業者とパートナーシップを構築し労務費を支払うことなどを求めた。
参加した民間発注者からは、工事発注時の予定価格の積算に公共工事設計労務単価以外の労務単価を使うことが適法かどうかを問う質問が寄せられた。国交省の担当者は直ちに違法とする条文はないと回答した上で、「建設業者から公共工事設計労務単価をベースとした見積もりが提出された際に、独自の単価を理由に切り下げる行為は違法となり得る」と指摘した。
支払った労務費が賃金として技能者に行き渡るよう対応を求める意見も相次いだ。国交省の担当者は支払い段階の実効性確保策に当たる契約当事者によるコミットメントの活用や、適正に賃金を支払う建設業者を見える化する自主宣言制度などを通じて支払いを担保していくことが重要とした。
説明会では標準労務費の作成方針や実効性確保策など最新の検討状況を中心に解説。発注者、建設業者それぞれを対象に9月26日まで全国10会場で開く。東京会場は初弾となった19日の大阪会場に続く2回目となる。
標準労務費は中央建設業審議会が作成・勧告する。公共工事設計労務単価に直轄工事の歩掛かりを乗じて算出することを基本とし、基準を著しく下回る見積もりや契約締結を禁止する。労務費を削る価格競争を防ぎ、技能者に適正な賃金が行き渡るようにすることで担い手の確保につなげる。
説明会で国交省の担当者は「基準を作れば技能者の処遇が直ちに改善するものではない。基準設定とともに実効性確保策を講じることで新たな商習慣を定着させたい」と述べた。その上で、建設業者には技能者の賃金の原資となる労務費を競争の対象としないこと、発注者に対しては建設業者とパートナーシップを構築し労務費を支払うことなどを求めた。
参加した民間発注者からは、工事発注時の予定価格の積算に公共工事設計労務単価以外の労務単価を使うことが適法かどうかを問う質問が寄せられた。国交省の担当者は直ちに違法とする条文はないと回答した上で、「建設業者から公共工事設計労務単価をベースとした見積もりが提出された際に、独自の単価を理由に切り下げる行為は違法となり得る」と指摘した。
支払った労務費が賃金として技能者に行き渡るよう対応を求める意見も相次いだ。国交省の担当者は支払い段階の実効性確保策に当たる契約当事者によるコミットメントの活用や、適正に賃金を支払う建設業者を見える化する自主宣言制度などを通じて支払いを担保していくことが重要とした。