万博後の実現イメージ共有/空飛ぶクルマの社会実装/国交省、経産省 | 建設通信新聞Digital

8月29日 金曜日

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万博後の実現イメージ共有/空飛ぶクルマの社会実装/国交省、経産省

 国土交通省と経済産業省は28日、第11回「空の移動革命に向けた官民協議会」を開き、大阪・関西万博の後からが、いわゆる“空飛ぶクルマ”を社会実装していく段階になると捉え、社会実装するための実現イメージを共有した=写真。そのための検討が各方面で進んでいることから、具体的運航ネットワーク形成のなどに向け、運航事業者や地方自治体などの関係者と連携し、例えば関東圏や中部圏、関西圏、観光エリア圏など広域的に検討を深めていくことにした。
 社会実装に向けては、2022年3月、同協議会のユースケース検討会がまとめた「目指すべき絵姿と中長期的な実装の流れ」を踏まえ、同協議会がロードマップを示している。今回はこれらを踏まえ、社会実装の実現イメージ案を提示した。
 同案によると、フェーズを「導入初期」「成長期」「成熟期」、将来の「完成期」までの4段階に分けて明示。それぞれのフェーズにおける大都市圏や地方部などの絵姿を示した上で、その実現に必要な対応を記している。
 導入初期は、27年または28年から始まることを想定した内容となる。大都市圏では一部都市で商用運航が始まり、主要エリアを結ぶ2拠点間運航や、先行整備された空飛ぶクルマの離着陸場「バーティポート(VP)」を使い、ベイエリアでの遊覧飛行など非日常的な体験が可能となる。地方部では、一部先行地で景勝地などを空から一望するための遊覧飛行などの商用運航や、拠点間での貨物輸送の実証を開始することをイメージしている。
 これらに対応するため、事業者などによる運航計画策定やVPなどのインフラ整備が、将来的な運航ネットワーク形成につながるよう、戦略的に連携して進める必要性を指摘。現在、運航事業者や地方自治体、政府なども社会実装に向けて検討しているため、空飛ぶクルマの将来性を示すことで、導入初期の各事業者の投資判断を後押しし、早期の運航開始やインフラ整備の着手、その後の事業拡大につなげることが重要だとしている。
 次の成長期は30年代前半を想定し、運航頻度が高まり、導入地域が徐々に拡大することをイメージ。大都市圏では空港と商業施設やホテルなどを結ぶサービスが一部開始、地方部では拠点VPを中心に複数のVPが整備され、遊覧飛行の拡大や物流拠点に整備されたVPを活用した貨物輸送の開始を予測している。この実現のため、ハブとなる拠点VPなどのインフラ整備を進める必要性を指摘した。
 成熟期は30年代後半を想定し、運航頻度のさらなる向上と日常的移動手段としての定着の絵姿を描き、運航を円滑にするための技術開発や交通管理システムなどのアップデートが必要だとした。40年代以降の完成期は、自由な空の移動が日常生活の当たり前になっている社会を想定。関東から中部などの大都市圏ネットワークをつなぐ全国規模のネットワークの形成促進に向けた方策検討を必要な対応の一つに挙げた。
 協議会ではこのほか、25年度の検討事項として、ロードマップを改訂することなどを確認。今回から新規構成員に6社が加わった。