【国内最高益、成長戦略を一段上に／循環型のビジネス展開】
　２０２４年度は、国内事業が過去最高益を達成した。「いい決算だった」と振り返る。強みの高機能商品に加え、改修事業にも意欲を見せる。「われわれは全国にメンテナンス網を持っている。商品を据え付け、引き渡し後のメンテナンスもセットでやる。循環型のビジネスで、これを回していく」と力を込める。　　－－２４年度の振り返りを
　「昨年度は前・中期経営計画の最終年度だったが、売上高や営業利益など、定量的な目標を全て達成・上回る結果となった。３カ年を通じて振り返っても、良い形でフィニッシュでき、２５年以降の流れをつくれた」
　　－－好調の要因は
　「基幹事業のシャッター・ドアに加え、間仕切り・エントランスなどの周辺領域の事業も着実に伸びている。メンテナンス領域も伸長した。収益面のみならず、事業計画全体としても、内容の濃い３年間だった」
　　－－２５年度の展望は
　「良い結果の後だからこそ、この勢いを維持することが大切だ。成長戦略のレベルを一段上の次元で考えないといけない。社内全体にも呼び掛けている」
　　－－今後の課題は
　「景気の不透明感は増している。人手不足により、建設工事の進捗（しんちょく）は遅れ気味だ。こうした状況では、発注数量と先を見据えた生産能力の維持、人材育成のバランスが重要になる。次の需要の山を見据え、人手不足の中で人材を確保・育成していかなければならない」
　　－－注力事業は
　「間仕切り事業であり、シャッター・ドアに並ぶ基幹事業に成長させる。道半ばだが、今年度から始まった新・中期経営計画の３カ年で進める」
　　－－注力製品は
　「特にスチールパーティションの強化を進めている。昨年にはガラスパーティションの『デュオグラス』がグッドデザイン賞を取得した。高い意匠性を評価いただいた。その他にも、強みとする防火技術を組み合わせた耐火パネルなど、他メーカーにない展開で事業を拡大していきたい」
　　－－脱炭素化に向けては
　「一昨年に市場導入した『断熱クイックセーバーＴＲ』が、ユーザーから非常に好評だ。高い断熱性能と高速開閉を両立した商品で、室内の空気を閉じ込めて、さっと開閉する。中の空気を外に出さない商品なので、無駄な電力消費も減らせる。環境にもやさしい商品だ」

　（たかやま・めいじ）朝５時半に起き、近くの緑地へ散歩に出掛ける。これが毎日の日課だ。「野鳥を見る人、犬と散歩をする人。公園の方々にパワーをもらっている」とほほ笑む。