延命化事業で市場調査/参入拡大、工事を最適化/二十三区清掃組合 | 建設通信新聞Digital

12月11日 木曜日

関東・甲信越

延命化事業で市場調査/参入拡大、工事を最適化/二十三区清掃組合

 東京二十三区清掃一部事務組合は、清掃工場での延命化事業検討の深化に向け、サウンディング(対話)型市場調査を実施する。既設メーカー以外の参入、事業費低減や延命化工事の最適化について意見を募る。参加申し込みは8日から19日まで受け付ける。2026年1月9日から30日にかけて調査し、3月以降に実施結果概要を公表する見通し。 同組合では、建替時期の分散化を目的に、15年の一般廃棄物処理計画で延命化事業の導入を決定済み。
 実施に当たっては電気設備や建築関係など、分割可能な工事についてはプラント設備工事との分割発注で対応している。一方で3月に改訂された「廃棄物処理施設建設工事等の入札・契約の手引き」では、延命化工事について、対象案件の増加予想や既設プラントメーカー以外が参入しにくい環境、契約での公平性の課題認識などへの助言が示されており、民間事業者による意見や事業提案によってさらなる事業検討を深めたい考え。
 サウンディング項目は、▽既設メーカー以外の参入▽延命化事業費を低減する方法▽最適な延命化工事▽その他--の4項目。メーカー参入では参入実績や条件、想定し得るメリット・デメリット、延命化工事については優良な事例や期待する効果と停止期間・工事規模の関係、定期補修工事・整備工事との関係性、耐用年数、費用対効果などを加味した着手すべき設備項目、発注仕様、工事竣工からの施工年次などの意見を求める。
 延命化事業では、25-30年程度のプラント耐用年数を10-15年程度延伸するための設備更新工事を実施している。整備期間は規模に応じて2-4年を要する。現在は新江東清掃工場で28年度の竣工を目指して工事が進んでおり、今後は渋谷(27-28年度)、豊島(28-30年度)、中央(29-31年度)の各清掃工場で実施予定だ。
 参加要件は、一般廃棄物を対象とした1日・1炉当たりのごみ焼却能力100t以上かつ廃熱ボイラー・蒸気タービン発電設備を備えた連続運転式ごみ焼却炉を内部に持つ建築物での延命化または基幹改良実績があることなど。工事中の案件も要件を満たすものとする。