福岡市は１２月１７日、市議会の２０２５年度第５回定例会常任委員会で、パルコなどが計画する新天町商店街と福岡パルコ再開発の検討状況などを報告した。新天町商店街と福岡パルコは一体的な再開発を検討しており、設計・整備費を約１８９０億円と試算した。２６年度に設計に着手し、同年度以降に準備工事や市街地再開発事業の事業計画・組合設立認可などを進め、３０年代の完成を目指す。
　設計・整備費は、パルコ本館・新館、新天町ビル、西鉄福岡駅ビル敷地のパルコ街区（東街区）が約１０００億円、新天町商店街敷地の新天町街区（西街区）が約８００億円、メルヘン通りの地下通路が約９０億円を見込む。地下通路や商店街通路は公共性が高い基盤整備となるため、国の補助制度の活用に向けて協議を進める。
　所在地は中央区天神２。区域面積は約２.２ha。都市計画に基づく用途地域は商業地域。民間事業者による新天町商店街や福岡パルコなどの一体的な再開発となり、市の容積率緩和制度「天神ビッグバンボーナス」を活用して店舗や事務所、ホテルなどが入る総延べ床面積約２２万６０００㎡の複合施設や地下通路を建設する。また、市道天神１５号線（通称・メルヘン通り）の地下に通路（長さ約１９０ｍ、幅６ｍ）を設ける。
　東街区は延べ約１３万８０００㎡（容積率約１５５０％、建ぺい率約９０％、建築面積約７４００㎡）、西街区は延べ約８万８０００㎡（容積率約１３５０％、建ぺい率約８０％、建築面積約４９００㎡）の複合施設を建設する。ともに主要用途は店舗、事務所、文化・情報発信機能（東街区はホテルも備える）などとし、東街区はライブハウスやギャラリー、西街区は地域文化ミュージアムなどの整備を想定している。
　事業者は、東街区がパルコ、Ｊ・フロント都市開発、西日本鉄道、新天町商店街公社、新天町商店街商業協同組合、三井住友銀行。西街区が新天町商店街公社、新天町商店街商業協同組合となっている。