脱炭素化で道路を進化/次世代型の可能性探る/国交省がフォーラム | 建設通信新聞Digital

1月28日 水曜日

行政

脱炭素化で道路を進化/次世代型の可能性探る/国交省がフォーラム

連携を呼び掛ける沓掛局長
 国土交通省は26日、東京都港区の東京ポートシティ竹芝で「道路の脱炭素化をインスパイアするフォーラム」を開いた。国交省は2025年10月の改正道路法の施行を受け、道路管理者が協働して道路の脱炭素化を促進する枠組みを導入。フォーラムでは、これからの脱炭素化をきっかけに道路が次世代型のインフラに進化する可能性を探った。 沓掛敏夫道路局長は、外環で進められた沿道環境対策の変遷を説明した上で「環境対策は公害問題の苦い経験をバネにしながら成長していったが、地球温暖化や脱炭素については当てはまらない」と指摘。「エネルギーや産業、社会経済活動など社会の構造そのものに働きかけなければならない。道路構造を変えるだけではなく、道路の役割や社会との関わり方といったものから変えていかないとなかなか解決しない。エネルギー、通信、電力など各分野の人々が連携したネットワークを構築することによって脱炭素化が実現できる」と呼び掛けた。
 長年、地球温暖化問題の取材に取り組んでいる堅達京子NHKエンタープライズエグゼクティブプロデューサーは世界の平均気温の上昇を1.5度に抑える必要性を強調し、「今後10年が正念場だ」と語った。路面太陽光や無人貨物輸送などのアイデアを取り上げ、「これから積極的に取り組むべき。今こそ未来をデザインする総合力が求められる」と促した。
 日暮正毅資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー課長と竹内大一郎国交省総合政策局環境政策課長は両省が進める再エネ施策について対話した。竹内課長は「道路管理者には走行中充電の実装など次世代自動車をベースにした道路のリデザインを関係者と一緒に進めてほしい」と求めた。日暮課長はペロブスカイト太陽光電池などによって道路を発電施設として活用できる可能性を強調。「大きな収益を生み出す公共インフラ空間を再エネの技術で実現したい」と話した。
 小島昌希国交省道路局環境安全・防災課地域道路調整官は、脱炭素化に向けて道路構造の転換と道路空間での脱炭素化施設の導入に取り組む方針を説明。多様な関係者との協働と技術のイノベーションが必要とし「道路行政が大転換する時期が来ている。脱炭素化へ道路管理者も意識を変えなければならない」と述べた。
 最後に国交省の若手官僚らが道路行政の将来像について語り合った。自動物流道路を担当する道路局企画課道路経済調査室の遠藤由梨企画専門官は、労働人口が現在より2割減となる「8がけ社会」でも今と変わらない道路サービスを目指すとし、「そのためには生産性を1.25倍にしなければならない。道路管理者も自動化や広域化に取り組む必要がある」と語った。