建築士の職分徹底求める/国交省住宅局と初の意見交換/日空衛・電設協 | 建設通信新聞Digital

2月3日 火曜日

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建築士の職分徹底求める/国交省住宅局と初の意見交換/日空衛・電設協

(右から)文挾電設協会長、藤澤日空衛会長、 谷口日空衛副会長            
 日本空調衛生工事業協会(藤澤一郎会長)と日本電設工業協会(文挾誠一会長)は2日、建築士制度などを所掌する国土交通省住宅局と1月22日に初開催した意見交換会の結果を公表した。「設計精度の向上」のテーマで、両団体は設備の施工に不十分な設計図書が存在すると指摘し、設計図書に最終的な責任を持つ設計者(建築士)の職分徹底などを求めた。
 テーマは、▽設計精度の向上▽BIMの普及▽カーボンニュートラル(CN)の推進--の三つ。両会長と宿本尚吾住宅局長ら3者の幹部が出席した。
 設計精度向上のテーマは、設備工事の施工時に「機械・電気室、シャフトなどに機器が収まらない」などの問題が起きる場合があるとし、その原因に「設計者の能力不足により、施工が可能かどうかの検討が不十分な設計図書で発注される」「施工段階で設計変更が行われる場合に意匠、構造、設備を総合調整する者が明確になっていない」の2点を挙げた。
 こうした工事では、施工者が設計内容の確認・変更、他工種との調整などに多大な労力を強いられ、現場技術者の長時間労働とコスト増につながるだけでなく、フロントローディングやユニット化など生産性向上の取り組みを阻害する要因になると説明した。
 その上で設計精度の向上に向け、「設備工事業者は、精度の低い図面でも受けざるを得ない。施工者側では最終的に物事を決められないため、変更部分などフィードバックを繰り返すことになる。このような手間を減らしていくのは本来、建築士の仕事ではないか」との考えから、設計図書に最終的な責任を持つ設計者の職分徹底を住宅局に求めた。併せて、建築設備士が設計図書の作成に関与する必要性を示し、建築設備士を置く事務所の登録制度創設の検討を要望した。
 住宅局は、両団体の要望に対し、「行政がルールで縛るやり方よりも、民間の契約の中で対応について議論できるような場をつくるのが大事ではないか」と回答した。設計図書の問題は設計者、施工者ともに余裕がなくなってきたことが原因との見方を示し、「将来的にさらに余裕がなくなる中で、どうするのかという議論をしていきたい」と話した。2027年春ごろの取りまとめを目指す建築分野の中長期ビジョンは、設備工事業界の意見も踏まえて策定する考えを表明した。
 このほか、両団体はBIMに関し、発注者側の理解促進、施工段階と維持管理段階での活用など普及加速化の検討を要望。CN推進では、建築物のエンボディード・カーボン算出に関するガイドライン作成、施工時のGHG(温室効果ガス)排出削減のインセンティブ(優遇措置)付与などを求めた。